(政界地獄耳)安倍不要論出たら…細田の焦り - 日刊スポーツ(2018年2月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201802130000264.html
http://archive.today/2018.02.13-014548/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201802130000264.html

★3月25日の党大会までにまとめる。自民党憲法改正推進本部が憲法改正草案を党大会に発表するという命題を抱える同本部長・細田博之には、あと1カ月と少しの期間で作れるのかという焦りがあるのだろう。細田は会合で「憲法改正案はできるだけ早く整理して、みなさんの納得が得られる案に充実させる。そして国会で審議し最終的には国民投票にかける。あんまり『国民投票のときにこういう恐れがある』、『ああいう恐れがある』という議論が起こると反対論が多くなる。そうならないように誘導していくことが必要だ」と発言した。
国民投票の難しさは既に昨年7月の衆院憲法審査会の視察で、EU離脱を問うた英国や憲法改正をただしたイタリアの国民投票でいずれも政権が倒れた例などが国会にも報告されているし、立憲民主党代表・枝野幸男は年末から年始にかけ「国民投票制度は広告宣伝規制などで大きな欠陥がある。改正案の提出を視野に議論を進めたい」としている。国民投票は投票日前の一定期間を除いて、賛否を勧誘する広告放送に規制がなく、資金力が豊富な勢力が有利といわれる。細田の言う誘導したいことも、枝野の懸念と同じ欠陥を指しているのだろう。
★それ以外にも党政調会長岸田文雄宏池会会長として憲法改正を推進したい首相・安倍晋三から総裁の禅譲をもくろんでいるといわれるが、「宏池会憲法に愛着を持っている。当面、憲法9条自体は改正することを考えない。これが私たちの立場ではないか」(15年10月5日)、「9条を今すぐ改正することは考えない」(17年5月11日)としている。政界関係者は「8日に細田派が誘い、岸田派と会合を持った。表向きは総裁選挙の情報交換だが憲法改正での岸田派切り崩しが目的だろう」。ただ、憲法改正推進本部の会合の出席議員はいつも3割減。安倍1強も裏に総裁選挙が見え隠れすると党内のドーナツ現象が顕在化する。憲法改正がまとまらなければ、党内には安倍不要論が生まれるかも知れない。細田の焦りの本質はここだろう。(K)※敬称略