<ニュース読者発>いじめ被害の「駆け込み寺」に 支援、解決組織設立へ:東京 - 東京新聞(2018年2月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201802/CK2018021302000113.html
https://megalodon.jp/2018-0213-0949-57/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201802/CK2018021302000113.html

学校でいじめ予防活動に取り組む足立区内の小学校長で本紙読者の仲野繁さん(63)が四月、いじめ被害の経験がある歌手刀根(とね)麻理子さんと、被害者を支援しながら解決をうながす一般社団法人「ヒューマン・ラブ・エイド(HLA)」を立ち上げる。仲野さんの友人で教育評論家の尾木直樹さんがアドバイザーとして加わる。設立イベントを来月十一日、港区赤坂の赤坂区民センターホールで開く。(上田融)

区立鹿浜西小学校長の仲野さんは、前任の同区立辰沼小校長だった二〇一二年、児童有志による「キッズレスキュー隊」を組織。校内を見回って声かけなどを行い、いじめの芽を摘む活動を始め、年数回あったいじめトラブルがなくなる効果を上げた。関心を持った教育関係者の求めに応えて全国で講演を行うなど、活動の普及を目指している。
刀根さんは一九八〇年代にテレビアニメ「キャッツ・アイ」のテーマソングでデビュー。小中学校時代、いじめに遭い自殺を試みた経験から、いじめ防止や命の大切さを訴える中高生の歌舞台「ぼっこ」を、中部地方などで上演している。
二人は昨夏に知り合い、いじめ根絶には専門組織が必要との認識で一致。刀根さんが代表の一般社団法人「明るい未来を紡ぐ有意識者の会」をHLAに改組することにした。刀根さんが代表、仲野さんは当初ボランティアで加わる。
HLAは二人の従来の活動に加え、個別のいじめ解決にも動く。被害者の相談にのって学校に対処を求め、教育委員会にもはたらきかける。事態が改善しない場合は弁護士を立てた法的手段も考える。活動費用はクラウドファンディングなどでまかなう構想だ。
仲野さんは「いじめで自殺や引きこもりが増えるのは社会の損失。HLAを被害者の駆け込み寺にし、関係機関をつなぐハブ的組織にしたい」と目標を語る。
イベントは午後三時半から。活動の紹介、文部科学省厚生労働省の課長らの討論会、尾木さんの講演などがある。参加は一般千円で大学生以下は無料。申し込みは往復はがきに住所、氏名、電話番号を書き〒333 0866 埼玉県川口市芝二七七七の四「明るい未来を紡ぐ有意識者の会」へ。