地毛証明賛否割れる 不要51人、必要47人 那覇の高校生100人聞き取り - 琉球新報(2018年2月9日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-661905.html
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生まれつきの髪の色やくせの状態を示すため学校が生徒に提出させる「地毛証明書」について、琉球新報は8日までに沖縄県那覇市内の県立高校9校の生徒100人から話を聞いた。地毛証明書への賛否は割れたが、提出した生徒からは「自分が否定されているようで嫌」などと不満の声が上がった。中には証明書を出した上、「おしゃれは駄目だが縮毛矯正はいい」として学校公認でストレートパーマをかけ、直毛にした生徒もいた。一方、証明書の提出を求める高校の多くは「生まれつきの髪の色や特徴を認めるため」と理由を説明している。
調査は1月中旬から2月初旬にかけて各校約10人の生徒から聞き取った。地毛証明書については51人が「必要ない」、47人は「必要」と答えており、賛否は分かれている。実際に地毛証明書を提出している生徒は4人だった。
「必要ない」と答えた生徒は「地毛が否定されているようでかわいそう」などと証明書による個性の否定を指摘した。「必要」とする生徒は「染髪者と区別するために仕方ない」などと理由を挙げた。
琉球新報が1月、ツイッターで一般対象に行ったアンケートを実施したところ、地毛証明書に否定的な意見が88%に上った。現役の高校生の方が校則を受容している傾向がある。
各校が制服の着こなしや頭髪などを規定する「身なり指導」に関しては、「自由にしすぎると風紀が乱れる」などの理由から70人が「何らかの指導は必要」と答えた。
ただ、このうち34人は「学校によって基準が違うのはおかしい」「無理やり従わせられている」と指導内容や方法に疑問を呈した。残る36人の中にも「最初から決まっていたので仕方がない」とあきらめの気持ちをにじませる声があった。
染髪禁止などを指導する学校の中には教室に入れないなど学校活動の一部を制限する事例もある。学校側は「社会が求める理想的な高校生像に照らして指導している」などとしている。