文書「全て廃棄」→存在 値引き「適正」→過大の疑い 佐川氏答弁 次々破綻 - 東京新聞(2018年2月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018020202000133.html
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国有地が格安で売却された森友学園問題で、財務省の佐川宣寿国税庁長官が理財局長当時に答弁していた内容が国会審議で次々と破綻している。一方、安倍晋三首相は佐川氏の国税庁長官への昇格を「適材適所」と強調。政府・与党は佐川氏の証人喚問などの国会招致に応じない構えだ。(金杉貴雄)
財務省の太田充理財局長は一日の参院予算委員会で、国有地売却を巡り学園側との交渉に関する内部文書を、昨年十一月の会計検査院の報告前日まで提出しなかったことについて「文書に気付かなかった。おわびする」と釈明。公表した五件以外にも、同様の文書があると明らかにした。
佐川氏は理財局長当時の国会答弁で「交渉記録は廃棄し、残っていない」と全て廃棄したとの認識を繰り返してきた。
共産党の辰巳孝太郎氏は一日の参院予算委で「われわれは国会で再三提出を求めてきたのに出してこなかった。明らかな隠ぺいで、政権は隠ぺいを許容している」と批判した。
破綻している佐川氏の答弁は、これだけではない。八億円もの大幅値引きでの売却について、国有地の地下で見つかった新たなごみの量を推計した結果を「適正」と主張したのもそうだ。会計検査院の報告も「十分な根拠が確認できない」としている。
値引きに至る経緯も同様だ。佐川氏は「価格を提示したこともなく、先方からいくらで買いたいといった希望があったこともない」と事前の価格交渉を否定していた。だが実際は、近畿財務局の担当者が売買契約前に学園の籠池泰典前理事長と協議し、籠池氏から値引きを求められると「ゼロに近い金額まで努力する作業をやっている」と伝えていたことが分かっている。
立憲民主党枝野幸男代表は一月二十四日の衆院本会議で、佐川氏の一連の国会答弁を「虚偽」と指摘し、更迭を求めた。