福島第一2号機デブリ調査 格納容器下部に多数の小石状の物体 核燃料の部品も落下 - 東京新聞(2018年1月19日)

http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/641
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東京電力は19日、福島第一原発2号機の格納容器内を調査し、容器下部に溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる物体が広く積もっていることを確認したと発表した。

 ※画像提供:国際廃炉研究開発機構(IRID)
 ※説明用CGは本紙


格納容器下部にたまったデブリらしき物体


前回と今回の調査範囲の違い


カメラ付きパイプを格納容器に差し込む作業員


解説 / 一歩前進、されど遠い取り出し
福島第一原発2号機の原子炉内の状況がまた少し解明されたことは、廃炉作業が一歩前進したことを意味する。ただし炉内は人間が近寄れば数分で死亡するおびただしい放射線に満たされている。貴重な一歩であることは確かだが、廃炉への道はまだ遠くかすむ。
政府・東電は、無理に格納容器に遮蔽(しゃへい)用の水を張らず、今回カメラを入れたように、炉の横側から機器を入れて溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す方向で検討を進めている。
ただしデブリは、損傷しているとはいえ一定の遮蔽力、密閉力が残る炉内にとどまっている。作業員の大量被ばくや放射性物質の漏れといったリスクを冒してまで、デブリを取り出すのが良いのか。当面は厳重に管理する方が得策ではないのか。そもそも取り出す方法を見いだせるのか―。
現時点では答えは見つかっておらず、廃炉に関わる当事者間でも議論が分かれている。
デブリ取り出しは、米スリーマイル島原発事故(一九七九年)の経験があるとはいえ、事故の深刻度は福島事故とは比べものにならないほど小さい。福島では一つ一つ、正しい判断材料を集めていくしかない。(山川剛史)