「再稼働」是非を問う 12月の県議選に注目 今年の県内選挙:茨城 - 東京新聞(2018年1月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201801/CK2018011502000145.html
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今年の選挙の注目は、国政選挙の予定がないため、十二月に実施する見通しの県議選だ。新しい県議は任期中に、日本原子力発電(原電)東海第二原発東海村)の再稼働の是非を問われる可能性があり、有権者の判断が鍵を握る。一方、首長選は高萩市下妻市など十二市町であり、議員選は補選を含めて九市町で予定されている。(鈴木学、酒井健

議席目標
県議選の定数は六三から六二に削減される。有権者数に基づき三増四減で、牛久市つくば市龍ケ崎市利根町の三選挙区が各一増となり、日立市取手市利根町除く)、潮来市行方市鉾田市茨城町大洗町の四選挙区が各一減になる。
最大勢力のいばらき自民(四十一議席)は、推薦候補が勝利した昨年八月の知事選、小選挙区議席を伸ばした同十月の衆院選の勢いを背に、幹部は「四十五議席は確保したい」と意気込む。候補者を擁立するに当たり、知事選の対応を巡って「会派離脱」の処分にした現職の処遇をどうするのかがポイントになる。
衆院選から組織が揺れる民進(五議席)の対応も焦点になる。県連の存続は決めたが、国政では離党者が相次ぎ、希望、立憲民主との統一会派も不透明。県連幹部は「早く立場を決めてほしい」といら立つ。選挙は、支持母体の連合茨城を軸に労組票を固めて乗り切りたい考えだ。現在、四議席の公明、三議席の共産などが「現有議席以上」を目標に挙げる。

◆地元同意
県議選の争点の一つになるとみられるのは、東海第二原発の再稼働の是非だ。原電は安全対策工事を二〇二一年三月末までに終えるとしている。その後、再稼働に向け、地元同意の手続きに移り、県議会や知事らに判断を求めることになる。
新しい県議の任期は二三年一月までのため、この間に、再稼働の是非を判断することが迫られる可能性がある。
再稼働に明確に反対しているのは、公明と共産。自民は、はっきりと立場を明らかにしていないが、原発推進の立場から賛成する可能性が高い。原発メーカー日立製作所の労組などから支援を受ける民進は、態度を明確にしていない。
また、十八歳選挙権が認められて初めての県議選となり、十代が、県政にどれほどの関心を寄せているかを見る一つの指標になる。

◆首長選は
一方、選挙が近づいている高萩市長選は、現職の小田木真代市長(54)と、元市職員の大部勝規さん(59)、元会社社長の大森啓司さん(61)の新人二人が名乗りを上げ、三つどもえの戦いの様相となっている。
下妻市長選は、現職の稲葉本治市長(72)、新人で市議の菊池博さん(55)の二人が立候補を表明、鹿嶋市長選には再選を目指す現職の錦織孝一市長(71)と、新人で市議の佐藤信成さん(44)も無所属で立候補する意向を示し、それぞれ選挙戦となる見込み。自分の街のかじ取りを誰に任せるのか、有権者が重要な一票を持っている。