「アメリカより沖縄に思いやりを」 ウーマンラッシュアワー、時事ネタ漫才に反響続々 - 沖縄タイムス(2017年12月20日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/185395
http://web.archive.org/web/20171222075532/http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/185395

吉本興業所属のお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」が、17日放送のフジテレビ系番組「THE MANZAI」で、沖縄の米軍基地問題などの時事ネタで政府や国民の無関心を痛烈に皮肉り、話題を呼んでいる。毒舌を振るう芸風で知られる村本大輔さん(37)は放送後「全国放送でこれをやる今日を待っていた」とツイート。視聴者からは「よくぞ言った」「国のお偉いさんたちにも見てほしい」と称賛の声が上がる一方、「政治を漫才に持ち込むな」といった批判も飛び交っている。
村本さんは、出身地の福井県おおい町周辺の小さな地域に原発が4基あるのに、夜7時以降は街が真っ暗になると紹介。「電気はどこへ行く!?」と大量消費する都会と負担を押し付けられる地方の構図に疑問を投げ掛けた。その後も相方の中川パラダイスさん(36)と早口でリズム良く掛け合い、小池百合子東京都知事を「自分ファースト」と風刺。米国にとってミサイルや戦闘機を大量に買ってくれる日本は「仲がいい国」ではなく「都合のいい国」などと畳み掛けた。
沖縄の基地問題では辺野古や高江を取り上げ「日本全体の問題」なのに「沖縄だけに押し付ける」「面倒くさいことは見て見ぬふりをする」と強調。在日米軍に払う9465億円を思いやり予算と説明した上で「アメリカに思いやりを持つ前に沖縄に思いやりを持て」と訴えた。
さらに日本では基地や被災地復興、北朝鮮のミサイル問題よりも、有名人の不倫がニュースになると批判。本当に危機を感じないといけないのは「国民の意識の低さ」とぶった切り、「お前たちのことだ」と言い残し舞台を去った。
政治というタブーに切り込んだ漫才に、脳科学者の茂木健一郎さんはツイッターで「日本のコメディーが変わるきっかけになれば。クリエーターに必要なのは、勇気であり、忖度そんたくではない」と絶賛。一般視聴者からも「国民が思っていることを代弁してくれた」とたたえる声が上がった。一方「漫才までめんどくさい話聞きたくない」「急に説教が飛んで来たかんじ」との反応も。「五体不満足」の著書で知られる乙武洋匡さんは「好き嫌いは分かれるのかもしれないけれど、こういう芸人もいる、ということが何より大切なのだと思う」とツイートした。