<「安倍改憲」>三つの関門…自民集約、公明協議、野党連携 - 毎日新聞(2017年11月16日)

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自民党憲法改正推進本部(細田博之本部長)は16日の全体会合で、党改憲案の取りまとめに向けた議論を再開した。ただ、衆院選で議論は遅れ、党執行部は年内の取りまとめを見送る方針。さらに(1)党内の意見集約(2)公明党との協議(3)野党の取り込み−−と三つのハードルが待ち受け、執行部が目指す来年の通常国会での発議はなお見通せない。
「いかなる手立てで合区を解消するのか。衆院参院はどう違うのか、見解をまとめないといけない」。自民の石破茂元幹事長は16日の全体会合で、参院の合区解消に理解を示しながらも、丁寧な党内議論が必要だとクギを刺した。
安倍晋三首相が掲げた改憲4項目を巡り、自民執行部は当初、年内に党改憲案をまとめ、来年の通常国会で発議する日程を描いた。だが衆院選後、首相と与野党の力学に微妙な変化も生じ、首相の「悲願」の行く手には雲がかかっている。
最初のハードルは自民党内の説得だ。石破氏らは9条2項を削除する2012年党改憲草案を支持し、自衛隊を明記する首相案を疑問視。石破氏は16日、「国会は改憲だけやっているわけではない。(来年の発議は)非常に難易度が高い」と指摘した。
さらに衆院選議席を減らし、政権の「ブレーキ役」の意識を強める公明は改憲自体に慎重で、北側一雄副代表は「憲法は事前に協議するたぐいではない」と突き放す。自民は高村正彦副総裁と北側氏のパイプに期待するが、「議員バッジをつけていない高村氏が主導すれば、批判が出かねない」(閣僚経験者)と不安の声もある。
さらに衆院選で誕生した野党第1党の立憲民主党は安倍政権下での改憲に慎重だ。特に9条への自衛隊明記には、枝野幸男代表が「(有権者は)白紙委任していない」と明確に反対。自民側には希望の党と連携を模索する向きもあるが、小池百合子東京都知事が代表を退き、独自色を打ち出そうと懸命な希望が、政権とどう連携するかは不明だ。
自民改憲本部で16日に大筋了承された参院選の合区解消を巡っても、他党との溝は深い。北側氏は同日の記者会見で「大ブロック制にすれば1票の格差是正はできる」と賛同しない考えを強調。日本維新の会松井一郎代表も「自民の党利党略だ」と批判しており「自民の改憲項目で最も実現可能性が低い」(衆院関係者)との指摘もある。かといって来年の通常国会での発議を見送れば、19年の参院選が近づいて与野党の対決色が深まり、改憲論議は一層見通せなくなる。【田中裕之、高橋恵子