(政界地獄耳)政界全体のレベル低下に危機感 - 日刊スポーツ(2017年10月17日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710170000149.html
http://archive.is/2017.10.17-013723/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710170000149.html

★メディアの情勢分析を眺めながら政界関係者が言う。「大きな流れがあるようでもあるが、小選挙区1つ1つの勝敗は各社によってまちまち。鉄板で圧勝している選挙区など数えるほどだ。この選挙で国民は何を示そうとしているのか。いや、戸惑っているのではないか」。確かに各社の情勢分析は自民堅調、希望失速、立憲躍進、共産苦戦ではまとまっているものの、個々の選挙区の状況はまちまちで、実際は激戦区が多数残っているとみてよさそうだ。
衆院解散後に政党が2つも生まれるなど、また先の国会の議論と全く違う力学が政党の発足につながっている。政策論争より国の形に関心があるのだろうか。この選挙に臨む有権者の思いは(1)安倍1強体制のおごり(2)野党への信頼不足(3)北朝鮮問題を軸にした安全保障や憲法問題。毎日新聞の調査では自民党が堅調ながらも安倍政権の続投を望まない、が47%あるという。首相・安倍晋三は嫌だがこの危機管理は自民党に任せるほかないという複雑な心情なのだろう。
★また安倍離れの理由には森友・加計疑惑がことさら強調しないまでも不信感の象徴になっているのだろう。さりとて分裂した野党では頼りない。つまり自民党を超える野党もいない。立憲民主党も政権批判の受け皿まで。これが国民の本音だろう。つまり政界全体のレベル低下、退潮感に危機感を持っているといえる。程度の低い若手政治家の不祥事。1強のおごり、当選したいがための分裂や裏切りの政党乗っ取り劇。政治を取り巻く余波部分が中心のように扱われる不幸を国民は、かみしめているのではないか。選挙は、3日で変わる。明日には、新たな状況が生まれているかも知れない。(K)※敬称略