ヒバクシャの思い 海外に広がる共感 ICAN・川崎さんら証言会 - 東京新聞(2017年10月8日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100802000126.html
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レイキャビクアイスランド)=沢田千秋】ノーベル平和賞の授与が決まった核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の国際運営委員、川崎哲(あきら)さん(48)らピースボート(東京都新宿区)のメンバーが七日、レイキャビク市庁舎で受賞決定後初の原爆被爆者による証言会を開いた。証言会は二〇〇八年以降、世界五十カ国以上で約二百回開催し、ICANへの平和賞授与へ貢献した。 
会冒頭、レイキャビク市議会のライフ・マグロウティル議長が受賞決定への祝意を述べ、集まった市民約三十人から拍手が起きた。
「やけどをした人々の皮膚と洋服がくっつき、垂れ下がり、水を飲むと倒れた。終戦後もしばらく、長崎は人を焼くにおいが満ちていた」。長崎で被爆した木村徳子さん(82)=写真、沢田千秋撮影=の話に参加者は静かに耳を傾けた。
ICANが推進し、今年七月に国連で採択された核兵器禁止条約の前文には「ヒバクシャ」の文字がある。川崎さんは「平和賞の授賞式には必ず被爆者に出席してもらう」と力を込める。「戦後七十年、日本では被爆体験の話に飽きた感が広がるが、逆に世界は近年、ようやく真剣にまっすぐ受け止めてくれるようになった。非人道のキーワード『ヒバクシャ』は着実に広まっている」
東京都世田谷区に暮らす木村さんは「こんな遠い国まで来るのは大変だが、核兵器の恐怖をみなさんに知ってもらいたい一心」と話した。「外国で証言すると『あなたの話はよく分かるが、日本政府はどうなの?』と言われ、恥ずかしい。平和賞は私たち市民に味方した。日本も禁止条約に参加する勇気を持ってほしい」