(政界地獄耳)小池のマグマが今、爆発 - 日刊スポーツ(2017年9月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201709280000144.html
http://archive.is/2017.09.28-005933/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201709280000144.html

★首相・安倍晋三が自ら仕掛けた解散総選挙だというのに、自民党のニュースが極端に減った。都知事希望の党代表・小池百合子がメディアジャックしたも同然の状態だ。小池は「日本をリセット」「しがらみのない政治」を前面に、今までの既成政党や組織・団体の枠を超えた「改革保守」なる政治を目指すという。確かに政治家や政治メディアは政党の議席数や、さほど根拠のないタカ派ハト派を分け、合従連衡を数合わせに変え、勝ち負けを分析しようとする。だが、その価値観は55年体制の見方そのものだ。
★小池の政治経験は、大半がこの数合わせだったが、日本新党細川護熙と、新進党自由党小沢一郎と、自民党では小泉純一郎と組んで実感した経験は、政治のダイナミズム。政治の動かし方と、男社会の政界で群れずに一匹おおかみで女性が立ち向かう難しさと、処世術だ。彼らが小池を重用したのは、歯切れの良さと決断力。覚悟と度胸のある政治家だからだ。昨今、閣僚らが小池の勝負勘を褒めるが、その勘は25年前から持っていたものだろう。
★小池は都議選での勝利後、「これで私の負け戦は08年の自民党総裁選だけ」とつぶやく。ため込んできたマグマが今、爆発しようとしている。26日の民進党代表・前原誠司自由党代表・小沢一郎との秘密接触では、小池の要求のハードルが高く、野党共闘は苦戦を強いられている。小池の野望は、保守2大政党の成立。片方が自民党でいいとも思っていないだろう。自民党も解体し、新たな政治体制を作り上げなければ、これからの日本は世界から後れを取り、立ち行かなくなるというのならば、このクーデターは1度では完成しない。
★まずは選挙で新たな大枠を作り、その後2段階、3段階と変革、改革を経て完成させるものだろう。寛容な保守とは、小池の言葉だ。今すべてを追い込む必要はない。(K)※敬称略