「改憲勢力に抵抗せねば」 安倍首相解散表明で県内団体:神奈川 - 東京新聞(2017年9月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201709/CK2017092602000167.html
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安倍晋三首相は二十五日、衆院を二十八日に解散する意向を表明した。県内で反戦や護憲を主張する人からは「改憲勢力に対抗しなければ、政権の暴走を止められなくなる」との声が上がる。また、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案に反対するグループは、解散で審議が先送りされたとしても「いずれは審議する」と運動を続けていく考えを示した。 (梅野光春、福田真悟)
「政権が抱える問題をごまかすための解散だ」。こう話すのは「原子力空母の母港化を阻止する三浦半島連絡会」の新倉泰雄さん(65)=横須賀市。「森友学園」や「加計(かけ)学園」を巡る問題や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題などで、安倍首相や政府の説明が足りないと感じている。
一方で、安全保障法制は着々と整備されている。新倉さんは「日米の軍事面の一体化が進み、日本が戦争に巻き込まれやすくなった。偶発的な軍事衝突があれば、横須賀も標的になりかねない」と危機感を表す。
北朝鮮と米国が互いに挑発を繰り返す中、「政治空白をつくるべきではない。しかし、米国一辺倒の安全保障、外交でいいのか、国民が判断するいい機会だ」と語った。
「かながわ平和憲法を守る会」事務局次長の吉田明さん(69)=横浜市金沢区=は「このままでは、安倍政権の暴走に歯止めをかけられない。自民党日本維新の会などの改憲勢力議席を確保すれば、憲法九条を変える議論が一気に進む」と危惧する。
吉田さんは二十四日、野党の衆院議員らと共に、同市磯子区のJR新杉田駅前で憲法改正反対を呼び掛ける街頭活動を実施した。「通り過ぎていく人が多くて。政治に無関心な層が増えたと感じた」。それでも、「憲法を守る運動は続ける。野党共闘を呼び掛け、候補者の一本化で対抗できれば」と力を込めた。
解散となると、臨時国会で審議されるはずだったIR実施法案は宙に浮く形になる。ただ、「カジノ誘致反対横浜連絡会」事務局長の菅野隆雄さん(67)=同市港北区=は「カジノ導入は安倍政権にとって外せない政策。いずれ成立させるはず」とみる。
先月中旬、政府が開いた公聴会に参加した。「施設に占めるカジノの広さの割合や、マイナンバーを活用した入場制限など、かなり具体的な説明があった。法案がかなり練られていると感じた。だからこそ、カジノ反対の声は上げ続けなければ」と気を引き締めた。