首相「教育無償化進める」 米で演説 消費増税分、念頭に - 東京新聞(2017年9月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201709/CK2017092102000130.html
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【ニューヨーク=石川智規】国連総会出席のため訪米した安倍晋三首相は二十日、ニューヨーク証券取引所で演説し「社会保障を現役世代に振り向け、幼児教育の無償化を進める」と明言。「実現には大きな財源が必要だが、答えを出す」と強調した。
自民党は来月に予定される衆院選の公約として、教育無償化政策のために、消費税率10%引き上げで得る増収分の使途の組み替えを検討している。安倍首相の発言は、教育無償化の財源ねん出に向け、従来は予定しなかった消費税増税分を充てることに意欲を示したものだ。
首相は「経済社会のあり方を根本から改革するのがアベノミクス最大の勝負だ」と指摘。女性や高齢者の就業率向上や規制改革とともに「リタイアした高齢者への給付が中心だった社会保障を全世代型に改革する」と訴えた。
具体的には、「低所得世帯向けの高等教育無償化」や、実現には約一・二兆円必要とされる「幼児教育の無償化」を挙げた。その上で「未来をひらくために財源問題から逃げることなく答えを出す」とした。
二〇一二年の「社会保障と税の一体改革」で、自民、公明、民主(当時)の三党は、消費税率10%引き上げによる増収分の二割を年金・医療や子育て支援の充実に、五割強を財政赤字の削減に充てることで合意していた。教育無償化に増収分を振り向けるためには使途組み替えが必要となる。