(政界地獄耳)有権者無視の混乱選挙になる? - 日刊スポーツ(2017年9月19日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201709190000223.html
http://archive.is/2017.09.19-014152/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201709190000223.html

★「今の自民党なら勝てる」と自民党魔の2回生たちは言うが、本当にそうだろうか。彼らの2回の当選は、民主党の衰退と安倍政権の絶頂期のもの。今の状況とはわけが違う。つまり自ら勝ち取ってきた勝利ではない。「その間に組織をきちんと作り上げた人、ポストを与えられ駆け上がった人、派閥に入り先輩から処世術を教わり業界団体とのパイプを作った者、さまざまだろうが、有権者と向き合ったかどうかが問われる」(自民党ベテラン議員)。
★つまり近道などないということだが、衆院議員・豊田真由子のように党内ライバルを蹴落とすために働き続け、地元にも足しげく通い、やれるだけのことをやっても、議員と地元と議員会館の連携がなければ、3回目の選挙は難しい。自民党は今週にも情勢分析の調査をかけるだろうが、野党候補が乱立するのか、小池・若狭新党が与党でも野党でない中途半端な候補を出してくると、有権者は混乱しそうだ。
★「その都知事小池百合子だが、8日の会見で、パリで開かれる国際会議参加のため、10月21日から25日までフランスに出張すると発表があった。ここがミソだ。新党に大きく関与、候補者の応援に小池が入るか入らないでは、結果に相当の影響が出る。22日に衆院選投開票になれば、さして影響はないが、29日投開票になれば小池応援の影響はだいぶそがれる」(自民党都連関係者)。
大義なき自己保身解散を進める首相・安倍晋三。それを支える自民党中枢。翻弄(ほんろう)される同党若手。民進党も混乱、小池・若狭新党も、新人候補の擁立は粗製乱造の可能性が。これほどの有権者無視の、誰が勝者になるか分からない選挙も珍しい。国民に解散拒否権があれば、行使したいものだ。(K)※敬称略