http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082602000138.html
https://megalodon.jp/2017-0826-0914-06/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082602000138.html
東京電力は二十五日、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の審査を巡り、原子力規制委員会が回答を求めていた原発の安全確保に関する基本的考え方を文書で提出した。東電は回答で、福島第一原発事故の教訓を踏まえた取り組みを強調する一方、焦点だった第一原発の汚染水の具体的な処分方法については言及を見送り、事実上の「ゼロ回答」となった。
規制委は、近く小早川智明社長らから回答について直接説明を聞く方針。ただ、第一原発の事故処理や、審査が終盤の柏崎刈羽6、7号機を安全に再稼働させるための取り組みに関して具体策を示せず、従来の説明を繰り返した回答には厳しい批判も出そうで、審査の適合は見通せない。
回答文書では、増え続ける汚染水や放射性廃棄物の処分について「地元と真摯(しんし)に向き合い、思いに配慮しつつ責任を果たす」とするにとどめた。
第一原発事故の反省としては「津波・浸水対策の強化を怠った」と記載。これまでの社内体制は「部門間のコミュニケーションの悪さが組織の一体感のなさを招いた」とした。
また、「第一原発の廃炉をやり遂げ、主体性のある企業文化を根付かせる」と強調しているものの具体策は示さず、文書全体で「誠意」「責任」「安全性向上」といった言葉を何度も使い、社内文化の変化をアピールした。
規制委は七月、川村隆会長や小早川氏らを呼び、異例の面談を実施。田中俊一委員長は「福島の事故処理を主体的にできない事業者に再稼働は認めない」とし、合否判断の前に、経営陣が汚染水などの問題を解決する考えがあるのか迫ったが東電側が即答できず、文書での回答を指示していた。