岡山・加計学園 獣医学部新設問題 山本担当相・獣医師会、際立つ説明食い違い 予算委焦点に - 毎日新聞(2017年7月21日)

http://mainichi.jp/articles/20170721/ddm/002/100/120000c
http://archive.is/2017.07.21-050547/https://mainichi.jp/articles/20170721/ddm/002/100/120000c


愛媛県今治市獣医学部を新設する事業者に学校法人「加計(かけ)学園」が決まる2カ月前の昨年11月に、山本幸三地方創生担当相が「四国に新設する」と日本獣医師会側に伝えたとされる同会の内部文書は、今月24、25両日に開催される衆参両院の予算委員会の焦点となる。山本氏は20日、文書について「獣医師会側の思い込みと私の発言を混同したもので正確ではない。私からは『京都もあり得る』と述べた」と反論。両者の食い違いが際立っている。(5面に文書と発言の要旨)
山本氏は昨年11月17日に東京都港区の獣医師会役員室を訪れ、蔵内勇夫会長や北村直人日本獣医師政治連盟委員長らと面会。内部文書では、山本氏が「四国に新設する」と発言し、費用負担について説明する中で「加計学園」を名指ししたとの記述がある。山本氏は「獣医師会側は(面会で)『四国の今治』と決めつけて対応していた。思い込みで書かれた部分もある」と記者団に述べて反論。「特定したことは全くない」とも語った。
また山本氏は、「京都(産業大)もあり得る」との自身の発言に、役員が「それは困る。進めるなら今治市に限ると明記してほしい」と応じたと明かした。この部分について「(同席した)秘書官がメモ書きのように書いたようだから確かだ」と自信を示したが、記者団がただすと「走り書きのメモ自体はもうない」と説明を変更。政権中枢の人物が「記憶」をもとに、対立する側の「記録」を否定する構図が、文部科学省の加計文書に続いて起きている。
一方、連盟の北村氏は20日、記者団に「私は明快に『加計学園』との言葉を聞いた」と反論。京都を巡るやり取りについても「私の記憶にはない。記録にもない。(『困る』とは)言っていない」と語った。
安倍晋三首相は予算委での「丁寧な説明」で幕引きを図り、内閣改造で政権浮揚を狙うが、新文書はこうした戦略に影響しかねない。公明党山口那津男代表は「国民の納得がいく対応を期待したい」と注文。民進党は「『加計ありき』が明確になった」と追及を強める。調査チームの会合では内閣府に秘書官メモの開示を要求。玉木雄一郎衆院議員は「一方は文書があり、一方は記憶がなくなったり明確になったりする」と批判した。【遠藤修平、樋口淳也】