あす「共謀罪」法施行 でも、沈黙しない - 東京新聞(2017年7月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017071002000111.html
https://megalodon.jp/2017-0710-1856-18/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017071002000111.html

共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の施行が目前に迫った。東京都内では九日、成立を強行した安倍政権に怒りの声をぶつけようと多くの市民が練り歩き、学者らも集会
で法の欠陥を指摘。立場を超えた抗議の声が、猛暑の都心に響いた。 (小松田健一、中沢誠)
「政府の共謀罪の説明は、はぐらかしてばっかり。なぜ必要なのか分からない。なのに、もう十一日には施行される。どこが国民に誠実なのか」。新宿区内では安倍晋三内閣の退陣を求めるデモ行進があり、参加したアルバイトの末武あすなろさん(32)=東京都世田谷区=はこう憤った。
約八千人(実行委員会発表)の参加者は、新宿中央公園から新宿駅東口までを練り歩き、「共謀罪」廃止や改憲反対などを訴えた。「加計(かけ)問題うやむやにするな」などのメッセージを記したプラカードを掲げたり、ドラムや鈴の音に合わせてシュプレヒコールを上げたりする人もいた。
世田谷区の会社員鷹浜美春さん(56)は、安倍首相が都議選の応援演説で「こんな人たち」と発言したことに触れ「安倍さんには愛想が尽きた。『こんな人たち』なりの意思表示の気持ちで参加した」と力を込めた。
茨城県牛久市の介護職員森川暁夫(あきお)さん(47)は「最低賃金ギリギリの給与。アベノミクスの恩恵は届いていない」と批判。三歳の長女の保育先探しに苦労した経験を持つ世田谷区の団体職員関文(あや)さん(43)は「子どものためにいい世の中に変えてほしい」と訴えた。