(政界地獄耳)首相がまず変わらなければ - 日刊スポーツ(2017年7月10日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1853098.html
http://archive.is/2017.07.10-013441/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1853098.html

★新聞の政局原稿は来月3日に行われる内閣改造一色だが、評論家・田原総一朗ツイッターで「内閣改造をするとすれば、安倍首相を含めて全員が変わるべきである。もしも自民党が健全な政党であり続けようとすれば、首相が変わるべきである。それができない自民党ならば崩壊に向かうしかない」と指摘する。自民党凋落(ちょうらく)の本質は魔の2回生でもなく、閣僚の質の低下など、停滞する材料はまん延しているものの、その中心には首相・安倍晋三の不適格な閣僚を無意味に守ったりすることと同時に、森友・加計学園疑惑は首相本人にかけられた嫌疑であるということだ。
★つまり、どんな内閣改造をやろうとしても、まずは逆切れせずに丁寧に国民に自らの説明責任を果たし、誤解であると証明して納得させる努力なくして、改造には至らない。それから逃げ続けていて、顔ぶれをいじったところで首相が変わらないのでは、内閣が国民から信頼されない。また入閣する議員たちも、国民に対して首相を守ることに忠誠を誓うようでは信頼されまい。党内の親安倍派としてのレッテルを貼られることで、その議員までもが信頼を失いかねない。つまり入閣を拒む議員が出ることも予想されよう。
★新聞の政局記事は本質を理解せず、国民の知りたいことを巧妙に避け、夢の内閣改造を予測する。しかし、その任命権者である首相の正当性が問われていることを、新聞は正面から書かない。不適格な首相を守り、その延命のために行う内閣改造をはやし立てるのは、新聞の政局を書く政治部に首相擁護論があるからなのか。本来ならば首相の説明が果たされない限り、国民が納得しない限り、内閣改造で切り抜けるのは筋違いと書くべきではないか。新聞の政局原稿にだまされてはいけない。今日10日の閉会中審査で問われるものは何か。(K)※敬称略