(政界地獄耳)強引幕引き狙い 公明も同罪 - 日刊スポーツ(2017年6月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1845064.html
http://archive.is/2017.06.26-010639/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1845064.html

★「国会を閉じれば国民は忘れてしまう」。そんな合言葉で強引に閉じた国会。しかし、国民はご都合主義の政権運営自民党議員の不祥事の数々、森友学園加計学園の不透明な開学への道、その場しのぎのような閣議決定や詭弁(きべん)をなかなか忘れない。なぜならば疑惑が大きく表面化する前から、首相・安倍晋三予算委員会などで、自らや首相夫人、事務所が関与していれば、首相どころか議員も辞職するとむきになり、たんかを切ったからだ。
★この発言の衝撃は大きい。「ここまで首相が言うのだから」と国民は安心したものの、その後昭恵夫人が「名誉校長」だとか、講演に足しげく通うなど、強い接点が浮上。また夫人の周りにはぴったりと公務員が張り付き、その都度案件を処理していたことも分かった。ところが官邸はそれらが発覚すると、夫人付きの公務員を海外赴任にしたり、閣議決定で夫人は私人とするなど、子供だましのような策を投じてきた。信用がだんだんと疑惑に変わる軸に、「首相のむきになった発言」が強く焼き付いた。
★最近も前経産政務官中川俊直が、女性スキャンダルなどで離党。元文科政務官豊田真由子が秘書に暴行を働くなどして離党した。自民党はこれで幕引き、ほとぼりが冷めれば復党という算段かも知れないが、党が公認して重用してきた事実は重い。党にはその責任も伴うはずだ。そんな政権を補完したのが、政権のチェック機能どころか、官邸の背中を支え続けた公明党の存在だ。今でこそ党代表・山口那津男は、野党が求める臨時国会召集に前向きだが、都議選に取り掛かるため国会を閉じることに同意。積極的に疑義を唱えない限り、消極的賛成を繰り返してきた公明党自民党と同罪だ。国民は忘れない。(K)※敬称略