加計学園問題 閉会中審査が不可欠だ - 朝日新聞(2017年6月17日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S12991487.html
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文部科学省と、特区を担当する内閣府の矛盾があらわになった。加計学園獣医学部新設をめぐる対応についてである。
文科省が存在を認めた文書について、山本幸三地方創生相は、内閣府文科省に対し、「『総理のご意向』『官邸の最高レベルが言っている』などと発言した認識はない」とする内閣府の調査結果を発表した。
調査結果は「総理のご意向」などの言葉について、「内閣府職員が時として使用する強い口調が反映されたのではないか」としている。
なんとも苦しい釈明である。
たとえ内閣府職員が強い口調で主張をしたとしても、それを文科省職員が「総理のご意向」と言い換えるだろうか。
前川喜平・前文部科学次官はこの言葉について「圧力を感じなかったといえばウソになる」と証言している。実際に使われていないのに職員がメモに残すような言葉ではあるまい。
文科省が公表したメールに、同学園と競合した他大学を事実上排除する条件が、萩生田光一内閣官房副長官の指示で書き加えられたようだと記されていたことについて、山本氏は参院予算委員会でこう述べた。
「(送信した内閣府職員は)文科省から出向してきた方であり、陰で隠れて本省の方にご注進したというようなメールだ」
メールの信頼性は低いと言いたいのかもしれない。だがメールには「指示は(内閣府の)藤原(豊)審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田副長官からあったようです」など具体的な記述がある。
山本氏は記者会見で「課内でいろいろ飛び交っているような話を聞いて、確認しないままにそういうことを書いた」と説明したが、おかしな話だ。
この問題の「決定にかかわって指示したことはない」と言う萩生田氏の名前が、なぜ内閣府内で「飛び交って」いたのか。
驚いたのは、自民党高村正彦副総裁が野党の追及について「げすの勘ぐり」と批判したことだ。内閣の姿勢をただすことこそ野党の大事な使命である。
事実究明は緒に就いたばかりだ。国会は閉会中でも審議はできる。証人喚問に応じるという前川氏を国会に呼び、直接話を聞くことは欠かせない。
首相は証人喚問について「国会で決めること」との答弁に終始した。だが問われているのは首相自身と、首相側近で、学園系列大学の名誉客員教授を務める萩生田氏の関与の有無だ。
国民が納得できるまで説明を尽くす重い責任があることを、首相は自覚すべきだ。