(政界地獄耳)野党、前川 ネットで話す覚悟あるか - 日刊スポーツ(2017年5月30日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1831954.html
http://archive.is/2017.05.30-042510/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1831954.html

G7も終わり政界は参院共謀罪審議に戻るが、首相・安倍晋三には野党が攻勢を強める加計学園便宜供与疑惑が残る。どんなことでも家来のように言うことを聞く、人事をちらつかせれば官僚はおとなしくなるという手法を身に付けた官邸にとっては誤算だったかも知れないが、まだまだ骨太の官僚はいたという誤算は国民にとっては朗報だろう。
財務省が官邸と対立し、経産省と蜜月を築けば、今まではそれに反発したものだが、今では財務省が真っ先に尻尾を振った。財務省が官邸の軍門に下れば他省庁など怖くないというのが官邸の読みだったろうが、文科省が反撃ののろしを上げたわけだ。だが官邸は文科省全体が前文科事務次官前川喜平に続くとも思っていない。メディアは文科省内部の前川批判をクローズアップして、前川を孤立させようとしている。それは功を奏すかもしれないが、野党は手をこまねいていてはいけない。
★これは権力の運用の問題で、民進党代表・蓮舫が「当時、文科省事務方のトップだった前川さんは“総理のご意向メモ”は本物だと言った。どちらかがウソをついている」としているが、「首相をやり込めたい」程度の思いなら手を引くべきだ。ただ、前川の国会への出頭が自民党国対委員長竹下亘の「政治の本質でない」のならば、民進党はじめ野党の持つネット番組に前川を呼んで、どんどん話を聞いていけばいい。その覚悟が野党や前川にあるならば、だ。
★首相が窮地に陥ると北朝鮮が揺さぶりをかけるタイミングが続く。政界では「北朝鮮は安倍支持」との冗談も飛び交うが、政界関係者が言う。「官邸は連日の北朝鮮のミサイル実験で日米は新たな展開を想定しているのではないか。無論、軍事作戦含みだ」。官邸も延命に必死だ。(K)※敬称略