安倍首相改憲提案 憲法学者ら「不透明な、お粗末な提案」 - 毎日新聞(2017年5月22日)


https://mainichi.jp/articles/20170523/k00/00m/010/026000c?inb=ys
http://archive.is/2017.05.25-001503/https://mainichi.jp/articles/20170523/k00/00m/010/026000c?inb=ys

「立憲デモクラシーの会」が批判見解を明らかに
安倍晋三首相が憲法9条への自衛隊明記を唱えた改憲提案について、憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」は22日、東京都内で記者会見し、「理由も必要性も不透明な、お粗末な提案」と批判する見解を明らかにした。
見解は「自衛隊は既に国民に広く受け入れられた存在で、憲法への明記に意味はない。不必要な改正」とした上で「改憲自体が目的であるかのように、憲法を軽んじる言辞を繰り返すことは、責任ある政治家のとるべき態度ではない」とした。
会見した東京大の石川健治教授(憲法学)は「9条があったからこそ、自衛隊を持つことの正当性が常に問われ続け、軍拡競争にブレーキをかけてきた」と意義を強調。
立教大の西谷修特任教授(哲学)は、2014年の集団的自衛権行使容認の閣議決定を念頭に「現内閣は閣議決定憲法をも変えられると思っている。こういう政権に改憲をさせてはならない」と訴えた。
安倍首相は憲法施行70年の3日、改憲派団体の会合に寄せたビデオメッセージで「(戦争放棄の)1項、(戦力不保持の)2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」ことが国民的議論に値すると述べた。(共同)