改憲「国論二分のまま国民投票は無責任」 枝野氏発言に北側氏・船田氏同調 - 東京新聞(2017年5月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017051702000128.html
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民進党憲法調査会長の枝野幸男氏は十六日のBS日テレ番組で、安倍晋三首相が九条改憲を主張したことに「国論が二分され、国民投票で圧倒的に可決される状況でないのに自衛隊(明記)を国民投票にかけるのは無責任だ」と指摘した。
枝野氏は、英国のEU離脱の国民投票などを例に「国民投票で否決されたら自衛隊はどうなるのか。僅差の可決でも結果を引きずり、国益を損なう。自衛隊のことを真面目に考えたら(三分の二で国会による発議を)押し切るなんてあり得ない」と慎重な審議を求めた。
公明党憲法調査会長の北側一雄氏も「自衛隊の問題で国論を二分し、ぎりぎりの状況で国民投票に持ち込むわけにはいかない。野党第一党民進党も理解できる形にもっていかなければならない」と語った。
自民党憲法改正推進本部長代行の船田元氏は、首相発言について「乱暴な所があったが、改憲の熱意と方向性を示した」とした上で、「民進党に最後まで加わってもらい、国民投票がスムーズにいくようにしなければいけない」と同調した。
安倍晋三首相が十五日のBS番組で、改憲の是非を問う国民投票と国政選挙について「別途やるのが合理的かどうか」と同時実施の可能性に言及しました。しかし、二つの選挙は有権者への働きかけのルールが大きく異なることから、同時実施による混乱を懸念する声があります。 (清水俊介)

 Q 国政選挙と国民投票で、選挙のやり方はどう違うのか。
 A 国政選挙で政党や候補者に投票を呼びかける行為を「選挙運動」、国民投票改憲への賛否を勧誘することを「国民投票運動」と呼び、性格が異なります。
 Q 具体的には。
 A 選挙運動には多くの禁止・制限事項があります。資金力のある政党や候補者が有利になり過ぎないようにするためです。これに対して国民投票運動は原則自由。国民が萎縮せず自由に意見を戦わせた上で投票するためです。
 Q 改憲への賛否を呼びかける場合に許される行為が、選挙運動では許されない場合があるわけだ。
 A 例えば選挙運動では戸別訪問が禁止されていますが、国民投票運動では制限はありません。テレビやラジオのコマーシャル(CM)も、選挙運動の場合、選挙期間中の政見放送以外は禁止(日常的な政治活動を除く)されているのに対し、国民投票運動では原則禁止は投票日の十四日前から。改憲発議から投票日まで六十〜百八十日なので、かなり長い期間アピールできます。
 Q となると、国民投票運動は資金力のある側が有利になりそう。
 A そうした懸念から、世論への影響力が特に大きいCMを中心に、見直しを求める声も出ています。