(政界地獄耳)「言わずとも」長期政権の力 - 日刊スポーツ(2017年5月11日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1821503.html
http://archive.is/2017.05.11-041021/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1821503.html

★権力とは、その使い方で多くを救うことにもなれば、追い込むこともできる。だからこそ、その運用や行使について抑制的で、不公平のなきよう、権力を持つ者は、誤解を受けぬよう、注力するものだ。その意味では政権が長期化することと、政権中枢の顔ぶれが不動なのは、権力の強大化を生み、腐敗を誘発する。周辺にいる主に官吏たちは、腫れ物に触るような扱いをする者と取り入って、その恩恵や便宜供与を受けようとする。
★一方、取材者たちはその権力の強大化を知りながら、距離を保ち、関わらぬように努めていたとしても、何か本人に災いがふりかかかった時、その権力にすがり、超法規的な処置や権力の行使によって、助けられる場合がある。そうなると、それまで距離を置いていたとしても、貸し借りというより、それは恩に代わり、批判しにくくなる。そういった状況が作りやすくなるのは、権力が長期的に及ぶと、その影響力も広範囲に広がるからだ。
★昨今の森友学園疑惑は、首相や首相夫人への忠誠心なのか、将来への約束との交換条件なのか、相当の便宜供与が財務省によって行われていたようだ。長期的な権力は、直接命令を下さない。申請の学校名に「安倍晋三記念小学校」だとか「首相夫人と建設予定地で撮影した写真」を添付すれば、おのずと暗黙の要求が透けて見える。公務員はそういう勘と忖度(そんたく)、つまり権力者の気持ちを察することが出世の近道と感じるのだろう。
★そこにはプライドはなく、生きながらえることへの執着だけかもしれない。また、持ちつ持たれつの関係の取材者は、権力者とその側近に犯罪をもみ消してもらって以来、権力者への賛辞しかしなくなった。これがまかり通る国が、美しい国のはずがない。(K)※敬称略

申請の学校名に「安倍晋三記念小学校」

「首相夫人と建設予定地で撮影した写真」

持ちつ持たれつの関係の取材者は、権力者とその側近に犯罪をもみ消し
握り潰された「安倍総理」お抱えジャーナリストの準強姦逮捕状 被害女性の告白 - デイリー新潮(週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/05091700/