(政界地獄耳)安倍の改憲挑発に反応しない議員ばかりじゃ - 日刊スポーツ(2017年5月8日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1819937.html
http://archive.is/2017.05.08-051049/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1819937.html

天皇陛下の平和への願いと、それを補完する現憲法への思いを、陛下のお気持ちとは別の形で退位させて打ち砕き、共謀罪を成立させることで国民の自由な発言や批判精神を認めず、監視国家や国民の疑心暗鬼の中で国家の意思だけ、いや首相・安倍晋三の描く国家像を受け入れる者だけが優良市民として認められるという計画が明るみに出た。これは、3日に首相が表明した憲法改正の具体的な内容だ。「自衛隊の存在を憲法上に位置づける」などとした上で、20年の施行を目指すことを表明した。
東京五輪パラリンピックの年に改正を行うこと、国民の9割以上が自衛隊について「好感・信頼」を寄せていることを利用して、憲法改正に結びつけ改正に持ち込もうという戦略だ。しかし、3日には共産党委員長・志位和夫ツイッターで「『自衛隊を合憲化することが使命』。『合憲化』ということは、自衛隊違憲だというのか。9条改憲を唱えるなら、自らの憲法解釈を正直に語れ。9条に『自衛隊』を書き込めば、単に存在を追認するにとどまらない。海外での武力行使がいよいよ無制限になる。狙いはここにある」とした。
自民党の元防衛相・石破茂は「今まで積み重ねた党内議論の中では、なかった考え方だ。自民党の議論って何だったのか」と疑問を呈したが、党内も石破派内からも援護射撃はない。7日、官房副長官萩生田光一は「自民党の党内議論も加速してくれというメッセージだと受け止める。あくまでも自民党総裁としての個人的提案」とトーンダウンさせているが、問題提起というより、首相という権力を使った強引な揺さぶりと受け止めるべきだろう。
★野党にも有効な対策がないが、与党の腰抜けぶりと議会軽視に苦言を呈さない傍観者ぶりには、閉口する。閣僚の低レベルには慣れてしまったが、この挑発に反応しない与野党国会議員の政治的センスのなさが、安倍政治を許しているともいえる。首相の挑発が正論として議論されるのは、時間の問題だ。(K)※敬称略

安倍首相 憲法改正し2020年施行目指す意向を表明 - NHKニュース(2017年5月3日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170503/k10010969831000.html
http://archive.is/2017.05.03-062035/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170503/k10010969831000.html

安倍総理大臣は、東京都内で開かれた憲法改正を目指す市民らの会合に寄せたビデオメッセージの中で、憲法を改正し2020年の施行を目指す意向を表明しました。また具体的な改正項目として、戦争の放棄などを定めた憲法9条に、自衛隊に関する条文を追加するほか、高等教育の無償化などを例示しました。
この中で、安倍総理大臣は「かつて1964年の東京五輪を目指して、日本は大きく生まれ変わった。その際に得た自信が、その後、先進国へと急成長を遂げる原動力となった。2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっている」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「新しく生まれ変わった日本がしっかりと動き出す年、2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている。私はこうした形で国の未来を切り拓いていきたい」と述べ、憲法を改正し2020年の施行を目指す意向を表明しました。

また安倍総理大臣は、具体的な改正項目について「私は、少なくとも私たちの世代のうちに、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、『自衛隊違憲かもしれない』などの議論が生まれる余地をなくすべきであると考える」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「もちろん9条の平和主義の理念は、未来に向けて、しっかりと堅持していかなければならない。そこで『9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む』という考え方は、国民的な議論に値するのだろうと思う」と述べ、戦争の放棄などを定めた憲法9条に、自衛隊に関する条文を追加することを挙げました。

さらに安倍総理大臣は「70年前、現行憲法の下で制度化された、小中学校9年間の義務教育制度、普通教育の無償化は、戦後の発展の大きな原動力となった。70年の時を経て、高等教育についても全ての国民に真に開かれたものとしなければならない」と述べ、高等教育の無償化なども改正項目として例示しました。「教育無償化」は義務教育以外にも授業料を取らない範囲を広げていこうという考え方で、日本維新の会が去年発表した憲法改正原案に盛り込んでいます。

安倍総理大臣は、第2次安倍内閣発足以降、国会などで憲法改正に前向きな発言をしてきましたが、スケジュール感や改正項目について具体的に踏み込んで発言するのは初めてのことになります。


安倍首相が憲法改正への決意を表明 石破茂氏がさっそく異論 - 産経新聞(2017年5月4日)
http://news.livedoor.com/article/detail/13021954/
http://archive.is/2017.05.08-051235/http://news.livedoor.com/article/detail/13021954/

安倍晋三首相が自衛隊の存在を明文化する憲法9条の改正を含め2020(平成32)年に新憲法施行の意向を示したことを受け、停滞していた改憲議論が今後活発化する見通しだ。
しかし、足元の自民党では石破茂元幹事長がさっそく異論を挟んだ。9条の条文追加を評価する公明党も期限の設定には慎重で、民進党内は賛否が渦巻く。首相の決意表明は、さまざまな政局をも招きそうだ。
首相は3日、戦争の放棄をうたった9条の1項と、戦力の不保持を明記した2項を残しつつ、「自衛隊を明文で書き込む」と表明した。自民党二階俊博幹事長が「積極的に協力していくのが当然だ」と支持を表明した中、石破氏は3日夜のBSフジ番組で、こうかみついた。
「今まで積み重ねた党内議論の中では、なかった考え方だ。自民党の議論って何だったの?」
首相の表明は、自民党が野党時代の平成24年に発表した憲法改正草案にはなかった要素だ。草案は現行憲法の2項の「戦力の不保持」を削除し、「自衛権の発動を妨げるものではない」と明記した上で「国防軍」の保持を盛り込んだ。
石破氏は草案の起草委員会メンバーで、思い入れが強い。一方、首相は実質的に関与しなかった分、柔軟性がある。1日の改憲派の集会では、草案について「そのまま憲法審査会に提案するつもりはない」と語った。理想論を横に置き、名実ともに「自衛隊の合憲化」を優先する意向を鮮明にしたのだ。
石破氏の発言は「ポスト安倍」を意識したとも受け止められる。憲法改正の発議を経た上で行われる国民投票は、早くても来年末以降となる。来年9月の党総裁選に首相が3選を目指して出馬し、憲法改正を真正面から訴えるのは間違いない。石破氏の出馬も確実で、改正内容が首相との対立軸になる可能性もある。
岸田文雄外相も安全保障関連法が成立した直後の27年10月、「当面9条自体は改正することを考えない」と発言しており、党内でにわかに改憲論議が活性化することになりそうだ。
自衛隊の存在を明記する条文追加は、「加憲」を唱える公明党の考え方にも近い。遠山清彦衆院議員は首相の表明を「十分に理解できる」と評価した。ただ、遠山氏は32年の施行に関しては「特定の期限を切ることは慎重だ」とし、首相とどこまで歩調を合わせるかは不透明だ。
深刻なのは民進党だ。蓮舫代表は「絶対反対」と強調したが、4月に代表代行を辞任した細野豪志環境相は4日のブログで「これまでの自民党と首相のアプローチからすると柔軟だ。私も、いつかは憲法に書かなければならないと考えている」と賛同した。
前原誠司元外相は昨年9月の党代表選に出馬した際に「9条1、2項は変えず、3項に自衛隊の位置付けを加える」と表明。枝野幸男憲法調査会長も1、2項に追加して「自衛権の行使」を明文化した私案を25年に発表しており、首相の決意表明は民進党にも波乱をもたらしている。(酒井充)

首相の改憲発言「憲法審査会に一石」 萩生田官房副長官 - 朝日新聞(2017年5月7日)
http://www.asahi.com/articles/ASK5733CVK57UTFK001.html
http://archive.is/2017.05.07-191943/http://www.asahi.com/articles/ASK5733CVK57UTFK001.html

萩生田光一官房副長官
安倍晋三首相が新憲法の2020年施行に言及したことについて)憲法が70年という節目を迎え、これだけ環境が整って国民の声もある中で、(衆参各院の)憲法審査会がなかなか動かない中で、一石を投じたというのが正直なところだと思う。自民党の党内議論も加速してくれというメッセージだと私は受け止めています。
自衛隊違憲だという状況のまま何かあれば汗をかいてくれというのは、あまりにも理不尽だと総理はお思いなんだと思います。ですから、自衛隊の明文(化)を自分の任期中にやりたいと。一つの提案として9条に3項の追加という提案をしましたけど、あくまでも自民党総裁としての個人的提案であり、憲法審査会で様々な優先順位を決めてもらえばいいんじゃないかなと思います。(フジテレビの報道番組で)