都港湾工事、積算二重ミスも300円差落札 関係者「漏洩が濃厚」 - 産経新聞(2017年5月1日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170501-00000044-san-soci
http://archive.is/2017.05.01-010904/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170501-00000044-san-soci

東京都発注の大型港湾工事をめぐる入札不正疑惑で、海上運搬費の積算ミスが発覚した工事について、都が軽油の単価も誤って積算していたことが30日、産経新聞の調べで分かった。二重の積算ミスによって、都は入札上限額の予定価格と、下限額の最低制限価格をそれぞれ約120万円過大に算定していたが、受注業者は非公表の最低制限価格をわずか300円上回る近似値で落札。都の入札関係者は「複数の積算ミスがあった中での近似値落札は不可能。情報漏洩(ろうえい)があったと言わざるを得ない」と証言した。
二重のミスが判明したのは、山田建設(大島町)が落札した平成27年度元町港護岸(防波)建設工事。本来は往復分必要となる型枠資材の海上運搬費を片道分(約48万円)しか算定しなかったミスに加え、「潜水士船」と呼ばれる船舶の軽油単価について、本来は1リットル当たり60円で計算すべきだったところを誤った額で積算していた。
都は産経新聞の指摘に対し、二重ミスを認め、予定価格と最低制限価格をそれぞれ約120万円過大に算定していたと明らかにした。新たなミスを公表しなかったことについて、都は「隠すつもりはなかった」と釈明した。
都発注の大型港湾工事をめぐっては、誤って積算した最低制限価格と同額や近似値での入札が相次いでいたことが3月、産経新聞の調べで発覚した。
業者が使用する積算ソフトの能力向上により、事前に公表される予定価格から非公表の最低制限価格をある程度類推することができるため、都港湾局は「ミスはあったが偶然の産物。疑惑を持たれる入札結果がたまたま出た」として情報漏洩を否定していた。
今回の二重ミスがあった中での近似値落札について、都港湾局の担当課長は「正直に言うと、われわれとしてもなぜこの(最低制限)価格で当てられているのか分からない」とした。
都の入札関係者は産経新聞の取材に「複数の積算ミスがあった場合でも最低制限価格を近似値で算出できる条件は、業者がミスの内容と金額を把握していた場合だけだ」と話した。