安倍首相の靖国参拝訴訟で原告敗訴 - NHK(2017年4月28日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170428/k10010965611000.html
http://megalodon.jp/2017-0430-1101-26/www3.nhk.or.jp/news/html/20170428/k10010965611000.html

4年前、安倍総理大臣が靖国神社に参拝したことについて、600人余りの原告が信教の自由などを侵害されたとして参拝の禁止や賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「参拝は原告らの信仰への強制や圧迫をもたらすものではない」として訴えを退けました。
東京などに住む男女630人余りは、4年前に安倍総理大臣が行った靖国神社への参拝は政教分離を定めた憲法に違反する行為で、信教の自由や平和に暮らす権利などを侵害されたとして、安倍総理大臣や国に参拝の禁止や賠償を求める訴えを起こしていました。

28日の判決で、東京地方裁判所の岡崎克彦裁判長は「参拝は靖国神社の教義への賛同を国民に求めるものとは言えず、原告らの信仰への強制や圧迫をもたらすものではない」という判断を示しました。また、「安倍総理大臣が参拝後に出した談話を素直に読めば、恒久平和への誓いを立てたものと理解され、軍事的衝突の可能性が高まると理解するのは困難で、平和に暮らす権利が侵害されたという主張は認められない」として、訴えを退けました。参拝が憲法に違反するかどうかは判断しませんでした。

原告側の井堀哲弁護士は「総理の談話を平和の誓いと持ち上げるなど、政権の意向をそんたくするような内容だ。人権のとりでと言われた裁判所の危機だ」と批判しました。

安倍内閣総理大臣の談話〜恒久平和への誓い〜 - 首相官邸ホームページ(2013年12月26日)

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/discource/20131226danwa.html
http://megalodon.jp/2017-0430-1108-15/www.kantei.go.jp/jp/96_abe/discource/20131226danwa.html

安倍内閣総理大臣の談話
恒久平和への誓い 〜

平成25年12月26日

本日、靖国神社に参拝し、国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げるとともに、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈りしました。また、戦争で亡くなられ、靖国神社に合祀されない国内、及び諸外国の人々を慰霊する鎮霊社にも、参拝いたしました。

御英霊に対して手を合わせながら、現在、日本が平和であることのありがたさを噛みしめました。

今の日本の平和と繁栄は、今を生きる人だけで成り立っているわけではありません。愛する妻や子どもたちの幸せを祈り、育ててくれた父や母を思いながら、戦場に倒れたたくさんの方々。その尊い犠牲の上に、私たちの平和と繁栄があります。

今日は、そのことに改めて思いを致し、心からの敬意と感謝の念を持って、参拝いたしました。

日本は、二度と戦争を起こしてはならない。私は、過去への痛切な反省の上に立って、そう考えています。戦争犠牲者の方々の御霊を前に、今後とも不戦の誓いを堅持していく決意を、新たにしてまいりました。

同時に、二度と戦争の惨禍に苦しむことが無い時代をつくらなければならない。アジアの友人、世界の友人と共に、世界全体の平和の実現を考える国でありたいと、誓ってまいりました。

日本は、戦後68年間にわたり、自由で民主的な国をつくり、ひたすらに平和の道を邁進してきました。今後もこの姿勢を貫くことに一点の曇りもありません。世界の平和と安定、そして繁栄のために、国際協調の下、今後その責任を果たしてまいります。

靖国神社への参拝については、残念ながら、政治問題、外交問題化している現実があります。

靖国参拝については、戦犯を崇拝するものだと批判する人がいますが、私が安倍政権の発足した今日この日に参拝したのは、御英霊に、政権一年の歩みと、二度と再び戦争の惨禍に人々が苦しむことの無い時代を創るとの決意を、お伝えするためです。

中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは、全くありません。靖国神社に参拝した歴代の首相がそうであった様に、人格を尊重し、自由と民主主義を守り、中国、韓国に対して敬意を持って友好関係を築いていきたいと願っています。

国民の皆さんの御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。