「わが闘争」の教材使用可能=政府答弁書 - 時事ドットコム(2017年4月14日)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017041401032&g=pol
http://archive.is/2017.04.15-121540/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017041401032&g=pol

政府は14日の持ち回り閣議で、ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーの自伝的著書「わが闘争」の教材使用について、「教育基本法等の趣旨に従っていること等の留意事項を踏まえた有益適切なものである限り、校長や学校設置者の責任と判断で使用できる」とする答弁書を決定した。民進党宮崎岳志氏の質問主意書に答えた。
教育勅語活用、否定せず=道徳教育で−松野文科相
答弁書では、「同書の一部を引用した教材を使用して、執筆当時の歴史的な背景を考察させる授業が行われている例がある」と紹介。その上で、「仮に人種に基づく差別を助長させる形で使用するならば、同法等の趣旨に合致せず、不適切であることは明らかだ」と指摘し、そうした指導があった場合は「所轄庁や設置者において厳正に対処すべきものだ」としている。

教育勅語活用、否定せず=道徳教育で−松野文科相 - 時事ドットコム(2017年4月4日)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040400505&g=soc
http://archive.is/2017.04.16-021255/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040400505&g=soc

松野博一文部科学相は4日の閣議後記者会見で、憲法教育基本法に反しない形で教育勅語を学校で教材として用いることは否定しないとした政府答弁書を踏まえ、道徳教育での活用について「教育勅語のこの部分を使ってはいけないと私が申し上げるべきではない」と述べ、否定しない考えを示した。
文科相は「どの教材を使ってどう教えるかは、憲法などに反しない限りは一義的には教員、学校長に権限があり、問題があれば所轄庁、所管庁が適切に指導すると考えている」と述べた。
さらに、小中高校の社会科や歴史、公民などの中で、「歴史的背景や歴史の発展段階などを教えるといった観点から教育勅語が教材として使われることは問題ない」との見方を示した。

教育勅語全文 - 時事ドットコム(2017年4月4日)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040401067&g=soc
http://archive.is/2017.04.05-150722/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040401067&g=soc

文部省図書局による教育勅語の「全文通釈」は次の通り。
朕(ちん)がおもうに、わがご祖先の方々が国をおはじめになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、また、わが臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一つにして代々美風をつくりあげて来た。これはわが国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。汝(なんじ)臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲良くし、夫婦互いに睦み合い、朋友(ほうゆう)互いに信義をもって交わり、へりくだって気随気儘(きずいきまま)の振る舞いをせず、人々に対して慈愛を及ぼすようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法をはじめ諸々の法令を尊重遵守(じゅんしゅ)し、万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身をささげて皇室国家のためにつくせ。かくして神勅のまにまに天地とともに窮(きわま)りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄(みさかえ)をたすけ奉れ。かやうにすることは、ただに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先の残した美風をはっきりあらわすことになる。
ここに示した道は、実にわがご祖先のお残しになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者および臣民たる者がともに従い守るべきところである。この道は古今をつらぬいて永久に間違いがなく、またわが国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。

(注)出展は文部省「聖訓ノ述義ニ関スル協議会報告」、佐藤秀夫編「続・現代史資料9」。現代仮名遣いに近づけました。