森友問題に皮肉、小林一茶引き合い 俳人・金子兜太さん、熊谷で講演 - 埼玉新聞(2017年3月27日)

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/03/27/10_.html
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熊谷市在住の俳人金子兜太さん(97)が26日、同市内で講演した。長年研究している江戸時代の俳人小林一茶の生き方を引き合いに大阪市の学校法人「森友学園」を巡る問題を皮肉ったほか、「九条俳句」裁判について「純粋な俳句行動を問題視する文化程度の低さを感じる」と述べた。
講演は「9条の会・熊谷」の主催で行われ、戦争と平和をテーマに、金子さんが約90分にわたり、自らの俳句人生を中心に講演した。
金子さんは平凡で自由な男を指す「荒凡夫(あらぼんぷ)」と称していた一茶の生き方に言及しながら、森友学園への国有地売却について「一茶は顕示欲が強かったが、平凡で自由でいいんだと悟った」とした上で「学校を造るのにいろいろなところを、うまくごまかすようなところから、平凡で自由な男は出てこない」と問題の当事者を皮肉った。
また「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句が公民館だよりへの掲載を拒否され、作者の女性が「表現の自由」を侵害されたとして、さいたま市を提訴した「九条俳句」裁判にも触れた。
金子さんは日中戦争下の1940、41年に起こった新興俳句に対する弾圧事件を踏まえ「十五年戦争時の俳句弾圧より、非常に繊細で政治的感覚が働いていると思った」と主張。「素朴で純粋な俳句行動を問題視する、公民館の文化程度の低さを感じる」と語った。
その上で「同じようなことを2度やるようなら、しつこさがものをいう場合があり、警戒しなくてはいけない」と強調した。