道徳教科書、初の検定=小学校全24点合格−いじめ、情報モラルなど・文科省 - 時事ドットコム(2017年3月24日)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032400854&g=soc
http://archive.is/2017.03.24-073000/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032400854&g=soc

文部科学省は24日、2018年度から小学校で使われる道徳の教科書と、主に高校2、3年用の教科書の検定結果を公表した。同年度以降、小中学校で正式教科になる道徳は初めての検定で、小学校全学年で8社から申請された計24点(66冊)全てが合格した。国が教科書を無償給付する義務教育での新教科の教科書を検定したのは、1990年度の「生活」以来26年ぶり。
道徳の教科化はいじめ問題がきっかけだった。学習指導要領で、道徳教育をいじめ防止に役立てる方針を明記していることもあり、全ての道徳の教科書がいじめについて取り上げた。
情報モラルなども1点を除く23点が記述。東日本大震災に関しては約8割の19点、20年東京五輪パラリンピックについては半数近い11点が掲載した。
道徳の指導要領や教科用図書検定基準が、言語活動や問題解決的な学習を取り入れるよう求めているのを受け、各教科書とも題材に関する問いや、考えを書き込める欄を豊富に設けた。3社は考えたり書き込んだりするための別冊も作った。
道徳教科書に対する検定意見は244件。内容の誤りや不適切な表現の指摘のほか、「指導要領が定めた内容の項目を網羅して取り上げていない」「記述内容と指導要領の項目の関係を明示する要件を満たしていない」といった意見も目立った。
高校は、「脱ゆとり教育」路線に転換した現行指導要領になって2巡目の検定。申請のあった国語や英語など共通教科196点と、商業や工業など専門教科17点の計213点全てが合格した。共通教科の検定意見は4616件で、前回12年度(一部10〜11年度分)と比較すると、26.6%減った。