(政界地獄耳)「総理夫人」に対する国民の疑問 - 日刊スポーツ(2017年3月2日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1786171.html
http://archive.is/2017.03.02-014239/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1786171.html

★学校法人「森友学園」の国有地払い下げ疑惑は、さらに新たな疑惑や証拠が出始めた。先月27日、民進党衆院議員・辻元清美が提出した質問主意書が興味深い。「『内閣総理大臣夫人』(以下総理夫人)の活動を補佐する公務員、公用車などについて現在、安倍総理夫人の活動を補佐する公務員は存在するか。何人で、どの省庁から、どのような規定にもとづき、派遣されているか。安倍総理夫人の活動を補佐する公務員は、いつからその任についているか。また公務員が『総理夫人』を補佐する任につくようになったのはいつからか」。
★そもそも首相夫人の公人としての定義、公設秘書をあてがう根拠が問われている。「安倍総理夫人の活動を補佐する公務員は、自らの業務報告をどのように行っているか。業務上知りえた内容をいつどのように、だれに対して報告しているか。安倍総理夫人が使用する公用車は存在するか。また『総理夫人』に専属の公用車が配置されたのはいつからか。14年12月6日と15年9月5日に、安倍総理夫人は大阪の塚本幼稚園で講演しているが、この際に公務員の秘書やスタッフは随行しているか。また講演に際して公用車は使用したか。『総理夫人』というのは公的な存在か。『総理夫人』の公務にはどのようなものがあるか。総理夫人の私的な活動に、公費が使われることはあるか」等、国民が疑問に思っている質問が並ぶ。この回答は閣議決定を経て議員に戻される。
★この疑惑は極めて複合的だ。国有地払い下げに関して財務省国交省という中央官庁が出先機関とは別に関与している可能性。首相夫妻のさまざまな政治的、物理的関与の現実と可能性。学校法人としての違法性を含む異常な教育方針とそれを褒める首相。それを取り巻く維新の党や公明党の協力の疑い。国会での解明に否定的な自民党の対応。5日の自民党大会では党総裁・安倍晋三の任期延長が決まろうとしているが、自民党は本当にそれでいいのか。(K)※敬称略