横浜市教委 いじめ被害の専用窓口 学校通さず受け付け - 東京新聞(2017年2月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201702/CK2017021602000171.html
http://megalodon.jp/2017-0216-0947-28/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201702/CK2017021602000171.html

東京電力福島第一原発事故福島県から横浜市に避難した中学一年の男子生徒(13)のいじめ問題で、市教育委員会は十五日、いじめ被害を学校を通さずに訴えられる専用窓口を設置するなど、再発防止策の案を市議会常任委員会で説明した。再発防止策は市教委内部に設置した検討委で議論中で、今回は中間報告。三月末に確定版を公表する。
提案した専用窓口は、面会や電話、メールでの受け付けを想定。学校の対応が不十分な場合、保護者らが学校を通さずに被害を訴え、第三者委員会の調査を求められる。現状でも「いじめ110番」など学校外の窓口があるが、相談にとどまる。新設窓口は調査まで結び付ける。
窓口で受け付けるなどしたいじめの情報は、学校と市教委が共有して緊急度を判断する仕組みを整備する。この仕組みは、区役所と児童相談所が連携して要保護児童の情報を一元管理し、重大性に応じて保護や支援を判断する市の虐待対応を参考にする。これまで市と市教委の情報共有が不十分で、虐待対応の経験が生かされていなかった。
これまで対応が学校任せだった反省から、今回の案では市教委に「緊急対応チーム」を新設。職員七人体制で、重大ないじめが疑われた場合、職員を学校に派遣し、連携して対応する。
ほかにも、ほとんどの教科を担任だけで教える市立小学校では、担任が問題を一人で抱え込むことが多い。このため、複数の教員で児童の情報を共有するため、高学年で教科担任制を導入する案も示された。
三者委員会報告書の公表の在り方では、公表を想定した規定がなかったため、新たに指針を策定する方針を明らかにした。
被害生徒は小学五年の五月、計百五十万円とされる遊興費を負担させられ、保護者は繰り返し金銭被害を訴えたが、学校は対応しなかった。弁護士の協力でいじめ調査を市教委に直接、要請した小六の十二月までの一年七カ月間、事実上放置された。(志村彰太)