江戸川区が「悲願」の区営児童相談所開設へ 虐待死受け20年に - 東京新聞(2017年2月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020202000126.html
http://megalodon.jp/2017-0202-1009-53/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020202000126.html

これまで都の事業とされていた児童相談所(児相)を、東京二十三区でも設置可能とする改正児童福祉法が四月に施行されることを受け、江戸川区は一日、区営の児相を二〇二〇年四月に開設すると発表した。
区役所近くの都有地約二千三百平方メートルを買い上げ、虐待を受けている子どもなどを緊急的に保護する「一時保護所」のある四階建ての施設を整備する。職員約百人を配置し、子どもや保護者の悩みを専門的な見地から対応する児童心理司五人を新たに採用する。同時に発表した新年度当初予算案に、施設の設計委託費九千八百七万円を盛り込んだ。
江戸川区では一〇年に小学一年の男児=当時(7つ)=が自宅で家族から暴力をふるわれ、死亡する事件が起きた。その後の検証で、学校と区、都の児童相談所の関係者はいずれも男児が以前から虐待を受けていることに気がついていたのに、情報の共有がされていなかったことが分かった。行政の連携不足の反省をふまえ、区は区営の児相が必要と判断した。
多田正見区長は、会見で「児相の開設は悲願だった。一貫した取り組みを区でやりたい」と述べた。
児相はこれまで都道府県と政令指定都市などの事業とされ、都内には都の運営する施設が十一カ所ある。法改正を受け、各区で開設の準備が始まっている。