http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50570
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50570?page=3
なぜ憲法九条を改正したいのか。それは国家の姿を明確化したいからであろう。
なぜ国家への忠誠心を高めようとするのか。国家あっての国民であることをはっきりさせたいのであろう。
そしてそれらの先に描かれていくのは、国家としての日本の根拠の明確化である。それを成し遂げなければ戦後レジュームからの脱却はできないと考えているのだろうが、この道は国家の弱体化でしかない。
なぜなら、くり返すが、そもそも国家は根拠があって生まれたものではないのである。ゆえに無根拠性という強さを最大限に活かすことしか、持続的な国家はつくれない。
このような視点からみれば、今日の世界は、国家の黄昏に向かっているようにみえる。
強い政治、根拠のある国家を求める動きが広がり、扇動政治家たちがそれをあおり立てている。その姿のなかに、私はむしろ、黄昏れる国家をみている。