全教員が部活顧問87% 中学調査「休養日設けず」22% - 東京新聞(2016年12月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016121602000137.html
http://megalodon.jp/2016-1216-0933-00/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016121602000137.html

スポーツ庁は十五日、中学校の部活動の実態について調べた結果を公表した。学校の部活動が教員の長時間労働の原因になっているという指摘を受け、初めて全国の中学校を対象に実施した。回答した九千五百三十四校の87・5%にあたる八千三百四十七校で、原則全教員が顧問になっていたことが分かった。部活動は教育課程外の活動だが、ほとんどの学校で顧問の仕事が教員に義務付けられている実態が浮かんだ。
部活動に詳しい名古屋大の内田良(りょう)准教授(教育社会学)は「驚きの数字だが、国の調査で数字が表れた意義は大きい」と指摘する。
調査結果についてスポーツ庁の担当者は「交代で休みを取れるよう複数顧問制にしている学校が多いことも一因ではないか」と分析。だが、内田准教授は「そもそも部活動は先生の本務ではなく、自主的な活動であることを前提にとらえるべきだ」と指摘する。希望者が顧問になる学校は5・3%だった。
二〇一五年度、運動部に外部指導者を招いた学校は73・8%(前年度比2・4ポイント増)だった。
学校の決まりとして設けている休養日は週一日が54・2%と最多で、週二日は14・1%。未設定も22・4%あった。一週間の部活動の時間は、男子が十五時間三十五分、女子が十五時間四十九分。一日の活動は、平日は二時間程度、土日は計六時間程度だった。
旧文部省(現文部科学省)は一九九七年、中学校では週二日以上の休養日を設定することや、練習時間は平日二〜三時間、土日三〜四時間以内が適切とする報告書をまとめている。内田准教授は「二十年前のガイドラインがまったくブレーキになっていない」と指摘。「国は単に休養日を設けるべきだと呼びかけるだけでなく、実態を調査して明らかにすることで対策につなげるべきだ」と話す。 (小林由比)