山形選挙の動き「政党よりも人」 - (2016年11月29日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1744779.html
http://megalodon.jp/2016-1130-1356-25/www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1744779.html

★任期満了に伴う山形県知事選(来年1月5日告示、22日投開票)で27日、自民党山形県連は3選を狙う現職の吉村美栄子に対抗する独自候補擁立を断念した。選挙で歯が立たないだけでなく、候補者の擁立すらできなかったことになる。現職の吉村は混乱する自民党県連をしり目に保守層から革新系まで広く県民党を形成。その流れは夏の参院選挙で野党統一候補として出馬し、自民党候補に12万票の大差で圧勝した舟山康江が流れを継いでいるといえる。舟山は無所属でありながら参院院内会派民進党新緑風会に所属、国対委員長代理などを務める。
自民党県連以上にその状況をのみ込んだ党中央と官邸は10月、自民党幹事長・二階俊博官房長官菅義偉が相次いで陳情で上京していた吉村に面会。二階は同行者が「吉村は県民党」と説明すると「そんなもんあるか」と突き放したものの、現実を否定することはできなかった。一方、26日、故加藤紘一の地盤だった山形3区でも動きがあった。民進党幹事長・野田佳彦が26日、山形県酒田市に乗り込み衆院山形3区で公認が内定していた新人の擁立を見送り、無所属で元職の阿部寿一を推薦すると発表した。まさに舟山方式だ。
★県関係者が言う。「阿部を支えるのは加藤紘一選対のメンバーだ。そこに社民の市議らが加わる。加藤の娘鮎子はまだ若くて自分の意見や考えを言うことを党中央が許さないのか、まだ言えないのか。地域のためにはならない。吉村を見ればわかるように、仕事が出来ない自民党より、仕事の出来る野党議員が地元にいてもらったほうがいい」。政党より人。山形の一連の動きはまさにそれを示している。(K)※敬称略