「頼りない」のは稲田か安倍か - 日刊スポーツ(2016年11月28日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1744368.html
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★25日、防衛省自衛隊秋田地方協力本部大館出張所の40代の男性隊員が「稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが頼れるあなたはぜひチャレンジを!」と記載した自衛官募集のチラシを作製、配布していたと公表した。表現が不適切という理由で回収したという。さて問題はどこが不適切なのかが、政界で話題だ。防衛省報道官・武田博史は同日「女性だから頼りないととらえていることや防衛相をこのような形で取り上げていることは極めて不適切」としたが、自衛官の本音ではないのかというのが議論の対象だ。
★会見でのやりとりを詳しく見ると「これが表に出るに至ったいきさつだが、どうしてチェックが働かなかったのか」の問いに「この資料は担当官が上司に報告しないまま配布していたと聞いておりますが、事実関係の詳細については引き続き確認中」。「隊員1人がつくって配布したのか」との問いには「130部、大館出張所の担当区域である大館市および北秋田市の公共施設に置いていたものと承知をいたしておりますが、これ以上の具体的な内容については引き続き確認をしているところ」、「大臣はなんといっているか」には「引き続き事実関係を確認するようにということでございます」。つまり会見の体をなしていない。
★国会で防衛相の立場と自身の過去の発言との整合性を問われ、「今は安倍内閣の一員として持論は封印する」との一言が言えず、べそをかいて立ち往生する司令官に自分の命を託せるかという本質的な感情だ。司令官として「頼りない」と多くの隊員が本能的に感じているからではないのか。勇ましいタカ派の政治家を歴代内閣では防衛相に据えていない。士気が上がるどころか不安視されるからだ。これこそ稲田朋美を寵愛(ちょうあい)しすぎた首相・安倍晋三の責任だ。(K)※敬称略