発達障害支援へ教員数増やして 4団体、文科省へ緊急アピール - 東京新聞(2016年11月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2016111802000198.html
http://megalodon.jp/2016-1118-0907-34/www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2016111802000198.html

発達障害の小中学生の一部が授業を別室で受ける「通級指導」の制度充実を求める声が広がっている。日本発達障害ネットワークなど四団体は十七日、対象の子どもの数に応じて担当教員を配置できるよう定数の改善を求める緊急アピールを文部科学省に提出した。希望しても通級指導が受けられない子どもの保護者らも今月、専任教員を増やすことなどを求める三万人分の署名を同省に出している。
通級指導は、授業中に座っていられないなどの発達障害や、発音が上手にできないなどの困難がある小中学生が対象。所属する学級から週に一、二回程度、自校か近隣校の通級指導教室に通い、コミュニケーションの取り方など、その子の状況に応じた指導を個別や少人数で受ける。
文科省によると、二〇一五年度に公立小中学校の通級指導を受けたのは約九万人。同省の別の調査では、発達障害の可能性がある児童生徒は約六十万人とされる。だが、通級指導教室が設置されている学校は13・2%、担当教員は約七千人にすぎず、保護者からは「通級を希望しても受けられない」との声がある。
同省は来年度の予算要求で、今後十年間で専任教員を八千九百人増やすほか、毎年の予算で人数を決める追加配置ではなく、基礎定数化して制度を安定化する方針を示している。一方、十年で約四・九万人の教職員定数を削減する姿勢の財務省は、予算案編成の議論の中で「外部人材の活用」などを主張している。
四団体は、文科省義家弘介副大臣と面会。全国特別支援教育推進連盟の大南英明理事長は「通級は子どもたちが精神的に安定して集団活動に参加する糸口になる」と訴えた。