先進の里親支援学ぶ 11日・五反田、12日・飯田橋でシンポ:東京 - 東京新聞(2016年11月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201611/CK2016111002000170.html
http://megalodon.jp/2016-1110-1113-07/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201611/CK2016111002000170.html

孤立しがちな里親家庭(養育家庭)を支援する仕組みを先進的な米英の事例から学ぶシンポジウムが11、12両日、都内で開かれる。施策になるよう働き掛けた米国のNPO法人モッキンバードソサエティ」の代表者や里親、里子だった若者らが来日し、子どもを育てる取り組みを共に考える。 (木原育子)
シンポジウムは、虐待防止のシンボル「オレンジリボン」の運動を根付かせたNPO法人「里親子支援のアン基金プロジェクト」(世田谷区)などでつくる実行委が主催する。
米国各州で定着し、英国政府も昨年、施策とした養育家庭の支援制度。主催者によると、養育家庭を地域ごと六〜十のグループに分け、ハブホーム(中心的な養育家庭)をリーダーに、悩みを共有したり、子どもを預け合ってレスパイト(短期的休息)の時間を持ったりする。
米国の調査では、養育の精神的な負担が減るなどの効果があったという。養育家庭に余裕が生まれ、子どもの心身を良い状態にするなどと注目されている。
日本の養護のあり方はこれまで施設中心。今年六月の児童福祉法改正で、家庭的雰囲気での養護を推進することが明確化されたことから、里親支援制度が変わる可能性がある。
実行委員の一人、日本女子大の和泉広恵准教授(家族社会学専門)は「日本で里親制度が広がらないのは『社会的養護』の仕組み自体に問題があるためで、抜本的な見直しが必要だ。多くの人と今後を考える機会になれば」と話している。
シンポジウムは十一日午後一時半からJR山手線五反田駅前のアリアル会議室本館、十二日午前十一時からJR中央線飯田橋駅前のTKP飯田橋ビジネスセンターで。いずれも無料。問い合わせは、実行委=電03(5790)9789=へ。