生前退位 有識者会議 来春の提言目指し検討本格化へ - NHKニュース(2016年10月18日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161018/k10010733261000.html
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天皇陛下生前退位などについて検討する政府の有識者会議は、17日、初会合を開き、憲法や皇室などの専門家から、天皇の退位や公務の在り方、それに負担軽減策など8項目について意見を聴取する方針を確認しました。会議では、年明けにも論点整理を行ったうえで来年春ごろの提言の取りまとめを目指して、検討を本格化させるものと見られます。
政府が新たに設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は、17日、総理大臣官邸で初会合を開き、安倍総理大臣は、「これから議論してもらうのは国家の基本に関わる極めて重要なことがらであり、予断をもつことなく十分に審議し、国民のさまざまな意見を踏まえた提言を取りまとめてほしい」と述べました。
そして会議では、憲法や皇室などの専門家15人程度から、8項目について、意見を聴取することを確認しました。具体的には、日本国憲法における天皇の役割、天皇の国事行為や公的行為など公務の在り方、天皇がご高齢になった場合の負担軽減策、天皇が重い病気で国事行為にあたることができない場合などに代役を務める「摂政」の設置、それに国事行為の委任についての考え方です。さらに、天皇の退位、退位できるようにする場合、今後のどの天皇にも適用できる制度にすべきか、また、天皇が退位した場合のご身分やご活動の在り方について聞くことにしています。
一方、従来からの検討課題とされてきた女性・女系天皇については、聴取の項目には盛り込まれず、有識者会議では検討されないことになりました。
有識者会議は、次回、今月27日の会合で、意見を聞く専門家を選んだうえで、来月中に3回会合を開いて意見聴取を行うことや、会議や専門家の発言の内容を公表していくことを申し合わせました。
座長に就任した経団連の今井名誉会長らは記者会見し、初会合では、メンバーから「会議の役割として、論点や課題を明確に国民に示し、国民と一緒に考えていく土俵作りが非常に重要だ」などといった意見が出されたことを明らかにしました。
有識者会議では、政府が早ければ来年の通常国会で法整備を行うことを視野に入れていることから、専門家からの意見聴取を踏まえて年明けにも論点整理を行い、来年春ごろの提言の取りまとめを目指して、検討を本格化させるものと見られます。