憲法草案 自民「歴史的文書」 条文一部、棚上げに余地 - 毎日新聞(2016年10月14日)

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自民党は13日、2012年にまとめた自民党憲法改正草案の取り扱いについて「その時点での歴史的な公式文書」と説明する方針を固めた。撤回はしないものの、保守色の強い条文の一部棚上げに余地を残す表現で、他党と柔軟に憲法改正協議に臨む姿勢を示す。
憲法改正推進本部の幹部が13日、党本部で12年草案の扱いについて詰めの協議を行った。18日の全体会合で、保岡興治本部長がこの方針を示すとみられる。
12年草案は9条に国防軍を明記したほか、天皇を元首と位置付けており、公明党や野党からの批判がある。「公式文書」と明示して撤回しないことで党内保守派に配慮する一方、「歴史的文書」として絶対視しないことで、与野党協議を進めやすくしたい考えだ。
自民党は12年草案より抑制的な05年策定の新憲法草案も改憲論議のベースとする意向。推進本部の幹部は「05年草案も同様に『歴史的な公式文書』と位置付けるのではないか」との見通しを示した。ただ、民進党はあくまでも草案の撤回を求めており、自民党による今回の方針を受け、衆院憲法審査会での審議に応じる可能性は現時点で低いとみられる。【飼手勇介】