「肌の色に関係なく平等に接して」 米の黒人射殺事件で女児訴え - 東京新聞(2016年10月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201610/CK2016100302000120.html
http://archive.is/2016.10.03-005607/http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201610/CK2016100302000120.html

【ニューヨーク=北島忠輔】警察官が黒人男性を射殺した事件が起きた米南部ノースカロライナ州シャーロットの市議会で、黒人の女児が「肌の色に関係なく、平等に接して」と訴えた。
涙ながらに差別の根絶を訴えた映像はソーシャルメディアを通じて広がり、海外メディアからも「警察に射殺される住民の苛酷な痛みを示している」(英紙ガーディアン電子版)と共感を呼んでいる。
事件から六日後に初めて開かれた市議会公聴会で、ドクロとハートが描かれたシャツを着た小学生ザイアナ・オリファントさん(9つ)が演壇に登った。
「私はほかの人たちと違う扱いを受けていると感じています」。さらに市議や百人近い傍聴者を前に「私は信じています」と言いかけたところで涙があふれた。聴衆から「がんばって」と声が飛び、おえつを漏らしながら続けた。
「私たち黒人が、そんなふうに感じる世の中はおかしい。こんな涙を誰も流すべきではない。両親を失う人をもう見たくない。私たちには、すぐそばにいてくれる両親が必要なのです」
公聴会には地元の黒人らが招かれ、差別の現状を訴えた。オリファントさんの映像はフェイスブックなどで共有され、動画投稿サイト「ユーチューブ」で繰り返し再生されている。ケニー・スミス市議はAP通信に「議会は耳を傾け、行動で応えなければならない」と述べた。
シャーロットでは九月二十日に黒人男性(43)が警察官に射殺される事件が起きた。「男性が銃を向けていた」と正当防衛を主張する警察と遺族が対立している。警察の対応に不満を抱く黒人住民の抗議行動は全米に広がっている。