学び直しの旅に出よう 「ゆっくり小学校」開校:神奈川 - 東京新聞(2016年10月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201610/CK2016100102000151.html
http://archive.is/2016.10.01-020541/http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201610/CK2016100102000151.html

大人が学ぶ「ゆっくり小学校」が十月二十九日から、川崎市中原区で開かれる。講義やワークショップを通じて平和やエコロジーなどを学び、人間らしい生き方や、真の豊かさについて考える。来年一月までの全七回。主催者が参加を呼び掛けている。
発案したのは、文化人類学者の辻信一明治学院大教授。辻さんは経済重視の社会で犠牲にされがちな環境や文化を守り、人のつながりや、自然との結びつきを回復しようと「スローライフ」を提唱してきた。
小学校を始めたきっかけは、福島第一原発事故。悲惨な事故を経験しても原発再稼働へと進む社会の動きは経済第一であり、スローライフの考え方とは対極で大人が学び直す学校が必要だと感じた。
この辻さんの思いに共感した元出版編集者の上野宗則さんらでゆっくり小学校の事務局(山口県下関市)をつくり、一昨年に東京・池袋で開校した。校長は辻さん。今回は三期目だ。辻さんがエッセーを連載していた雑誌の出版社・婦人之友社も会場を貸すなど協力している。
スローライフの思想や、平和学、各国の先住民や難民の問題などの講義を用意した。特別講師に、書簡集「野草手紙〜独房の小さな窓から」で知られる韓国の作家ファン・デグォンさん、ピアニスト高橋望さんらを予定。
上野さんは「新しい価値観や仲間、自分の内にある創造性に出あう学び直しの旅に、参加してほしい」と話している。
川崎市中原区今井仲町一八の五二、「東京第四友の家」を主会場とし、日程は、二十九日から来年一月二十二日まで。埼玉県小鹿野町で自然学習合宿も行う。参加費は合宿費も含め税込み六万四千八百円。申し込み、問い合わせは、ゆっくり小学校事務局=電050(5552)1030=へ。 (山本哲正)