堀潤氏が明かす「僕がNHKを辞めた本当の理由」 (林 英樹さん) - 日経ビジネス(2016年9月14日)

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/090800067/091300002/

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/090800067/091300002/?P=2

現場に広がる萎縮感

政権との距離感は公共放送が内包する問題だとしても、海外の公共放送は圧力を突っぱねようという良心が働くケースが多いのですね。ドイツの公共放送ARDでも昨年末の移民暴動の際に同じような動きがありました。それがNHKでは見えない理由はどこにあるのでしょうか。

堀:中にいて感じたのは、やりたいことがやれなくなってしまうのではないかという萎縮感です。例えば教育テレビ(Eテレ)では、東日本大震災の直後に現地入りし、「放射能汚染地図」という良質なドキュメンタリー番組を作っています。彼らは「NHKは出世を諦めると、好きなことができる良い組織だぞ」と言いますが、大半の局員はヒエラルキーの中に組み込まれてしまいます。そこでは本当につまらない理由で沈黙してしまう。ここで1回突き返したら、将来もっと大きな圧力が来た時に打ち返せなくなるから我慢しようとか。