豊洲主要施設、盛り土せず 水産、青果など5棟 - 東京新聞(2016年9月11日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091102000121.html
http://megalodon.jp/2016-0911-1044-59/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091102000121.html


東京都の小池百合子知事は十日、都庁で緊急記者会見を開き、築地市場中央区)の移転先となる豊洲市場江東区)で、専門家が必要な土壌汚染対策として提言していた建物下の盛り土をせずに、水産仲卸売場棟など計五棟が建設されていたと発表した。「都は事実と違う説明をしてきた。食の安全を考えると非常に大きな問題だ」と述べ、専門家による安全性の確認とともに経緯を調べる意向を示した。
五棟には水産仲卸売場棟のほか、水産卸売場棟、青果棟も含まれ、生鮮食品を取り扱う市場の心臓部で、外部に説明してきた土壌汚染対策が取られていなかったことになる。盛り土がない五棟の面積は合わせて約十三万四千平方メートルに上り、敷地全体の三分の一を占める。都の担当者は、建物下に盛り土をせず空洞とした理由を下水管などライフラインの配管や配線のためとしている。そのことを外部に説明する必要性は「思い至らなかった」と釈明する。
小池知事は先月、十一月七日に予定されていた豊洲への移転を延期することを表明した。来年一月に出る地下水モニタリングの最終調査結果を見て判断するとしていたが、新たな問題が浮上したことで、判断がさらに先になる可能性もある。知事は「急がば回れで安全性を確認していきたい」と語った。
ガス製造工場跡の豊洲市場予定地では、高濃度の有害物質が検出されたのを受け、専門家が二〇〇八年に土壌汚染対策を提言。都がとるべき対策として、建物建設地の土壌は地盤面の二メートル下まで掘削して入れ替え、その上に二・五メートルの盛り土をする内容だった。
都側はこれまで提言に基づき敷地全体で計四・五メートルの盛り土をしたように説明してきた。