沖縄戦訴訟の2審始まる - NHK沖縄県のニュース(2016年9月7日)


http://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5095338351.html
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太平洋戦争末期の昭和20年に激しい地上戦が行われた沖縄戦で被害を受けたとして、住民などが国に謝罪と賠償を求めた裁判の2審が始まり、家族全員を亡くした女性が「亡くなった家族のことを忘れることはできません。私が元気なうちにこの問題を解決していただきたい」と訴えました。
太平洋戦争末期の昭和20年に行われた沖縄戦について、砲弾を受けて負傷したり、家族が死亡したりしたのは、国が住民を保護する義務を怠ったのが原因だとして、住民や遺族は平成24年、国に謝罪と賠償を求める裁判を起こしました。
1審の那覇地方裁判所は、ことし3月、住民の訴えを退け、判決を不服だとして、原告66人が控訴していました。
2審の裁判は、6日、福岡高等裁判所那覇支部で始まり沖縄戦当時8歳で、爆弾などで家族全員を亡くし孤児となって戦後を生きてきた金城ツル子さんが、意見を述べました。
金城さんは「亡くなった家族のことを忘れることはできません。私が元気なうちにこの問題を解決していただきたい。亡くなった家族が浮かばれないのです」と時折、涙で声を詰まらせながら訴えました。
一方、国は、「戦時中の明治憲法のもとでは国が行った行為について賠償責任を認める法律は存在しないとする1審の判決は正当で、訴えは棄却されるべきだ」などと主張しました。

次回の裁判は、12月15日に開かれます。
意見陳述を終えた原告の金城ツル子さんは「孤児になって、学校に行けませんでした。それが一番悔しくて、裁判に参加しています。
治らない心の傷をとって欲しいです」と話していました。