(政界地獄耳)福岡市の3年後援拒否は「中立」か - 日刊スポーツ(2016年8月31日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1702758.html
http://megalodon.jp/2016-0831-1333-05/www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1702758.html

★人口約152万人の福岡市は、九州最大の政令指定都市だ。29日、同市は昨年、福岡市名義の後援を拒否し、今年は一転して認めた市民団体「『平和のための戦争展ふくおか』を成功させる会」主催の「平和のための戦争展」について「申請内容と異なり、特定の主義主張に立脚した内容が含まれていた」として後援を撤回したと発表した。西日本新聞などによると会場には「アベ政治を許さない」とのポスターや「戦争法案は廃止に」と題したパネルを展示。「憲法改悪反対」や「戦争法廃止」を求める署名ブースも設置されていたという。
★福岡市長・高島宗一郎産経新聞の取材に「行政の中立性を損なうものは後援できない。要領にのっとって厳正に対応する」とし、内規に従い今後3年間、後援を拒否するという。市のいうようにルール違反があったのならば後援撤回は理解できる。しかし向こう3年の根拠は何か。また中立性について市総務企画局の担当者は「国民的に議論が分かれるテーマであり、どちらか一方の主張をしている催事を後援すれば行政の中立性を損ない、誤解を生む」と説明。イベント全体を見た上で判断したというのが記事には記されている。
★3年間、市は受け付けないというのはペナルティーの意味合いがあるのか。また市がイベント全体を見てジャッジする意味がなかなか分からない。国民的議論があるものならば、それは市民にも関心があることであり、市は誤解を生むことを恐れるよりも、さまざまな考えを積極的に市民に示して、考える判断材料を提供すべきなのではないのか。3年間というのは、考えを改め反省するまで許さんという意味なのかと思ってしまう。市民のいろいろな声を逆に求める努力をせずに中立を声高に言う行政の立ち位置は、それほど中立なのかと思う。(K)※敬称略

関連サイト)
福岡市、戦争展の後援取り消す 「展示に政治的主張」 - 朝日新聞(2016年8月29日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20160830#p8