「平和への誓い」で安保法制に反対訴え 被爆者代表 - 朝日新聞(2016年8月9日)

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被爆者代表による「平和への誓い」は、長崎県被爆者手帳友の会の井原東洋一(とよかず)会長(80)が読み上げた。被爆時は9歳。爆心から6・5キロの山中に母とたきぎを取りに行っていた。

《巨大な火の玉に目がくらみ、耳をつんざく大音響と猛烈な爆風で吹き飛ばされ気を失いました》

翌日から救護活動に参加した母やきょうだいから惨状を聞いた。その母は、やがて歯茎から血を流すようになり、入退院を繰り返した末に7年後に亡くなった。
井原さんは戦後、労働運動に携わり、「被爆地域」と認定される地域を広げる活動に力を入れた。1987年に長崎市議に、2006年には県被爆者手帳友の会の会長になり、被爆者援護の充実を求めて非核運動に携わってきた。
安倍政権が進めてきた集団的自衛権の行使容認や安全保障関連法の整備といった政策には、他の被爆者団体とも連携し反対し続けてきた。「原爆の悲惨さを知る被爆者として、核兵器が使われないように戦争を避けようと訴えるのは当然のこと」。国会と日本政府に対し、強く訴えかけた。

憲法に反する安全保障関連法制を廃止し、アメリカの核の傘に頼らず、核保有国に核兵器の先制不使用宣言を働きかけるなど、核兵器禁止のための名誉ある地位の確立を》

「平和への誓い」で政治的な主張をすることに賛否があることは理解している。しかし「被爆者が言わなくて誰が言うのか」。(山野健太郎