天皇陛下 8月にもお気持ち表明へ - NHK(2016年7月29日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160729/k10010613021000.html
http://megalodon.jp/2016-0729-0916-06/www3.nhk.or.jp/news/html/20160729/k10010613021000.html

生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示している天皇陛下がお気持ちを表される機会が、来月にも設けられることになりました。宮内庁はテレビの中継などを通じて、広く国民に語りかけられる形を考えているということです。
天皇陛下は82歳と高齢となった今も数多くの公務を続ける一方で、「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」と考え、天皇の位を数年内に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されています。
そうしたなか、天皇陛下がお気持ちを表される機会が来月にも設けられることになりました。
関係者によりますと、宮内庁はテレビの中継などを通じて、広く国民に語りかけられる形を考えているということで、先の参議院選挙を受けて召集される臨時国会内閣改造が終わったあとの来月8日などを候補に、日程の検討が進められているということです。
天皇陛下は皇居・宮殿の石橋の間で、10分余りにわたってお気持ちを表される見通しで、記者が立ち会うことも想定されているということです。
天皇陛下憲法で定められた国政に関与しない立場から、お気持ちの表明にあたっては、「退位」という言葉や直接的な意向の表明を避けられるものとみられますが、関係者は「ご自身の思いがにじみ出るものになるだろう」と話しています。
天皇陛下は5年前の東日本大震災で、国民へのメッセージを事前に収録した映像で伝える対応を取られましたが、テレビ中継を通じてのお気持ちの表明が実現すれば初めてのことになります。
直接的な意向避ける見通し
象徴天皇制のもと、天皇憲法の第4条で、「国政に関する権能を有しない」、つまり、国政には関与しないと定められています。
一方で「生前退位」の実現には、皇室典範の改正や特別法の制定など、国会における法律的な措置が必要になってきます。天皇陛下が退位の意向を公に表明されれば、政治的な発言と受け取られかねず、制度の改正に直結すれば、憲法との整合性も問われかねません。
このため、今回のお気持ちの表明では、天皇陛下は「退位」という言葉や直接的な意向の表明は避けられる見通しです。