憲法論議で与野党けん制 自民、論議開始を催促 民進、まず安保法が先 - 東京新聞(2016年7月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201607/CK2016071302000125.html
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安倍晋三首相が参院選の結果を受けて民進党改憲論議を促したのに対し、民進党枝野幸男幹事長は十二日の記者会見で「私も議論はやりましょうと言っている。立憲主義憲法とは何かの共通認識がないと、他の議論はできない」と述べた。立憲主義を巡る論議が前提になるとの見解で、改憲項目の議論を求める首相らと入り口論から違いが際立った。
首相は十一日の記者会見で、自民党改憲草案をベースに改憲項目の具体化を進めたい考えを示し、「(衆参の)憲法審査会で議論していくべきだ」と、民進党にも議論を促した。
自民党茂木敏充選対委員長も同日夜のNHK番組で、安倍政権での改憲阻止を掲げる民進、共産など野党に「議論のテーブルに乗るべきだ。嫌だ嫌だじゃ始まらない」と憲法審での論議開始を催促した。
これに対し、民進党の枝野氏は同番組で「憲法の議論は当然あるべきだ」としながらも「まず議論するなら、安全保障法制が憲法に適合しているかどうかだ」とくぎを刺した。枝野氏は十二日の会見では「選挙が終わった途端に(改憲を)支持してもらったような話は、国民は理解できない」と自民党の対応を批判した。
参院選の結果を受け、安倍政権での改憲に賛成する改憲勢力は、発議に必要な三分の二の議席を衆参両院で確保しており、数字の上では野党の協力は必要ない。ただ改憲原案などを審議する憲法審は、野党や有識者の意見を聞くことも求められている。 (木谷孝洋)